【総括】
前回参加した第二回エターナルフェスティバルから早半年・・・
殴打頭蓋を獲得して一躍トップメタに躍り出た石鍛冶の神秘家の活躍劇はその後も
留まるところを知らず、対策カードが刷られるどころか未練ある魂という追加戦力を
得て遂にGPを制覇するまでに至った。このEsperBladeによるGP優勝は世界に石鍛冶の
強さを改めて知らしめると共に、GPほどの大きな大会を経ても未だにレガシーの
メタゲームが石鍛冶に支配されているという厳然たる事実をプレイヤーに突きつけた。
これは『環境の多様性』と『どんなデッキでも工夫次第では輝ける』というレガシー
フォーマットの魅力に正面からNoを突きつける結果であり、プレイヤーに今の
レガシー環境はつまらない、と思わせるには十分だったことは想像に難くない。
しかし、メタの固定化とは裏を返せば環境の成熟化でもあり、それだけ倒すべき仮想敵が
ハッキリしているという側面も持ち合わせてる。したがって、これまでの対戦風景で
日常的に見られた メタ外or地雷踏んだ→負け、という個人の努力ではどうにもならない
ケースが減少し、より本人の実力がダイレクトに結果に反映される状況になった。
こうして闇の隆盛後のメタゲームは石鍛冶系デックとRUG、それにコンボを加えた
三つアーキタイプが週末毎に凌ぎを削るある意味健全(?)な様相を呈した。
ただ、いくら健全なメタゲームが展開されていようとも、上でも書いたように
『環境の多様性』が一番の売りであったレガシーにおいて少数のアーキタイプしか
勝ち抜けない現状はプレイヤーにとって決して面白いものではなかった。そして
時期を同じくして6月のGP横浜へと続くモダンシーズンが本格的に開幕したことも
相まって、国内のレガシープレイヤーの視線もそちらに向かうこととなった。
そんな折にプレビューが始まったアヴァシンの帰還で あるキーワード能力に注目が
集まった。ご存知「奇跡」である。このキーワード能力が数多くのライブラリー操作が
存在するレガシーにおいて活躍するであろうことは誰の目から見ても明らかだった。
例えば轟く怒りであれば一時話題になったものの、その不安性が故に次第に姿を消した
UR Burnについてプレイヤーに再考させる材料としては十分なものであったし、
時間の熟達に至っては将来的に渦巻く知識や師範の占い独楽を禁止するための
口実としてデザインされたのかと思わせる程だった。
だが、カードが公開されていくにつれアヴァシンの帰還で最もレガシーに影響を与える
カードを奇跡持ちのどれかだと断定するのは早計だったことが判明する。
奇跡以上にレガシーに影響を与えるかもしれないカード、魂の洞窟の登場である。
なぜ伝説でないのか、なぜアンタップインなのか、なぜ無色マナが出るのか
等々・・・印刷ミスとしか思えないこの土地がレガシープレイヤーに与えた
インパクトは計り知れなかった。これによって今後は従来の青系コントロールと
ビートダウンの相性が相当変化することは間違いないだろうし、特にゴブリンが
この土地から与れる恩恵は計り知れないだろう。こうしてアヴァシンの帰還は
成熟しきったレガシー環境に一石を投じると同時に、強力なライブラリー操作や
カウンターデッキがメタ的な意味と物理的な意味で環境から駆逐されるのでは
ないかという一抹の不安をプレイヤーに与えて今週末正式にリリースされる
運びとなった。
だがそのリリースを目前に控えた今、自分には一つやらなければならない
ことがあった。それは環境が変化する前にゴブリンで現環境の大会に
臨むことだった。本大会を迎えるにあたり、実は去年のエタフェス以降大会への足は
遠のいていたものの毎週行われるSCGオープンは勿論のこと、国内の平日大会の結果から
海外の怪しい大会の結果まで情報は丹念に追ってはいた。そしてデッキの調整も欠かさず
行い、常に明日大会があっても即参加できるという状態にデッキは温めていた。
この水面下での調整期間を経て、半年前の反省総括で書いた“新たな可性”
(※厳密に言えば新しいのではなく、ただご無沙汰していた期間が長かっただけ)
はその後のメタの推移もあって当初は予想すらしなかった方向へと大きく舵をきった。
そして最終的に完成したデッキは十分メタに適合し、個人的には過去最高点を付けても
いい素晴らしい仕上がりとなった。せっかくデッキを満足のいく形に練り上げることが
できたのだからそれを使う前に環境が変化してしまうのでは余りに惜しい・・・
ということでアヴァシェンの帰還がリリースしてメタが変化する直前の今大会に
急遽スケジュールを調整して参加することとなった。今回の反省総括では
イニストラードの発売後からどのようにレガシーのメタゲームが推移し、それに
あわせてゴブリンがどんな変化を遂げていったのか、その様子を交えながら
振り返りたい。
まずは、時を遡って精神的つまづきの禁止とイニストラードのリリース以降の
レガシー環境の変遷を振り返りたい。イニストラードで最もレガシーに影響を
与えたカードといえば秘密を掘り下げる者と瞬唱の魔道師の2枚で間違いない
だろう。秘密を掘り下げる者は“青いナカティル”と称されるほど強力な
新戦力として、これまで聖遺の騎士に辛酸を舐めさせられていたRUGを一躍
トップメタへと押し上げる立役者になると共に58枚が固定枠という従来の
CanadianThresholdを十人十色の個性あるアーキタイプへと変化させた。最後の
インビーテーショナルカードとして鳴り物入りで登場した瞬唱の魔道師は公式で
発表された直後からレガシーでの活躍が期待され、実際に蓋を開けてみても
瞬唱はドローに始まり除去からカウンター、おまけにバウンスまでなんでもござれの
縦横無尽の活躍をして環境を席巻した。最大勢力を誇る石鍛冶の支配にこの二つの
大きな変化が加わったことで、ゴブリンもデッキ内の除去事情に大きな変更を
迫られることとなった。それはずばり“序盤”から“確実”な仕事をして、かつ
再利用可能な除去の投入である。これは最序盤から強力なクロックを刻む秘密を
掘り下げる者と速やかに対処できなければ面倒なことになる石鍛冶の神秘家、
瞬唱の影響により日に日に使用枚数の減っていくタルモゴイフの現状を見れば
明らかだった。ここから、焼却者の枚数を抑えて代わりに溶岩使いを投入する
エタフェスでやったプランはメタの流れを汲む限り理に適った変更だといえる。
そして前回の総括、反省でも書いたようにこのプランは今後も継続して行われる
ものかと思われた・・・ ここで一旦、全体の流れを簡単に整理しよう。
①イニストラードによってレガシー環境に変化が起きた
②それはテンポデッキの復興、低P/T生物の増加である
③この変化の背景には瞬唱の魔道師と秘密を掘り下げる者の登場がある。
・秘密を掘り下げる者→テンポデッキの新戦力として大活躍
・瞬唱の魔道師→単体除去を使いまわすことで大型生物による
一点突破戦略を否定
④これによってゴブリンもメタに合わせたデッキの調整を迫られた
⑤具体的には小回りの効く除去の投入である。
・最序盤に出てきた秘密を掘り下げる者を除去できないとそのまま
押し切られる可能性が高いので。
・多くのデッキがクリーチャーの選定基準を
死んでも痛くない小型生物>大型生物 にシフトさせたため
・依然として石鍛冶は最大勢力であり続けているため。
⑥除去の候補として挙げられるのは2マナ以下、かつ再利用可能な火力が望ましい
・3マナ以上の除去では最速で登場する秘密を掘り下げる者と
石鍛冶の神秘家に間に合わないので
・一回こっきりの単体除去では瞬唱や石鍛冶を除去できても
結局アド損になっているので
・使いまわしのできる火力ならば生物のいないデッキ相手にも
腐ることがないので
⑦候補としては渋面の溶岩使い、暗黒破、DeathSpark、罰する火などが挙げられる。
⑧RUGがTier1だと仮定すると溶岩使いがベストではないだろうか。
これが去年のエターナルフェスティバル前に自分が行った環境分析だ。
※余談だが、個人的には除去と土地のパッケージは溶岩使い+不毛が他と
比べて最も合理的なので好きだ
しかしエタフェス以降もメタゲームは刻々と変化を続け、その結果、あれだけ
信頼を置いていた溶岩使いがまさかの降板を強いられることとなる。その契機は
GPインディアナポリスでRUGが予想よりも少なかったことと、そのRUGに対して
有利なMarvericがスレイベンの守護者、サリアを得たことで著しい躍進を遂げた
ことにあった。数ある除去の中から溶岩使いを採用する最大の理由はRUGに対して
フェッチ連打から基本地形による強固なマナベースを築くことと1マナと軽い秘密を
掘り下げる者に対してこちらも1マナの除去で対抗してテンポに喰らい
付いていくことにある。したがってRUGが想定していたほどは環境を
支配できていない(環境にいない)のであれば当然、除去枠に溶岩使いを
選択する必然性も薄れる。また、時を同じくしてGPで優勝したEsperBladeに対しても
溶岩使いだけでは迫り来る脅威に対処しきるのは難しいことが明らかとなった。
これらの変化をうけ、環境を席巻する強力なTier1に対抗すべく持ち出されたのが
前回のエタフェスではギリギリまで悩んで採用を見送った市長の塔だった。
事前の予想ではこれでメタデッキに対してそれなりの耐性が付くはずだったのだが
―――練習の結果、相手の不毛が破壊すべき対象を見つけられず、意図せずとも
最終的に市長の塔が不毛の的になるという事態が頻発した。そして問題は
これだけに留まらず、市長の塔はスロットの都合上不毛の大地と競合する為、
溶岩使いの餌を減らしてしまうというアンチシナジーも抱えていた。こうした問題点を
解消すべく白羽の矢が立ったのが燃え柳の木立ち(罰する火)である。
これならば燃え柳が相手の不毛の対象を撹乱する役目を果たすと同時にブリキや
悪知恵用の緑マナの捻出が容易になり、かつ罰する火の回収能力のおかげで
EsperBladeやリリアナのハンデスに対しても耐性が付くというわけだ。
と、このように文章にすると長く感じられる罰する火投入の経緯だが、罰する火の
アイディア自体は遥か昔、一度試していたため溶岩使いとの差し替えにそれほど
時間はかからなかった。また、当時は不毛とアンチシナジーだったので秒で没と
なった罰する火も今回は事前に不毛を市長の塔に差し替えていたため、
マナが伸び悩む問題も未然に防ぐことができた。除去と土地の組み合わせの
相性についてまとめるとこのようになる。
渋面の溶岩使い―不毛の大地 ○
渋面の溶岩使い―市長の塔 ×
罰する火――――不毛の大地 ×
罰する火――――市長の塔 ○
こうして去年のエタフェスの時点では秘密を掘り下げる者をTier1として
設定していたので歯牙にもかけなかった罰する火だったが、実際にデッキに
投入してみるとこれが(残念ながら勝敗には直結しなかったが)溶岩使いに負けずとも
劣らない大活躍をしてくれた。こうして、市長の塔+罰する火システムに緑を
削ることで前回の総括反省で書いた新たな可能性という四色目のタッチカラーを
断行し、そして締めにキラリと光るボジューカの沼をそれぞれメインとサイドに
1枚づつ差すことでゴブリンは最終的にV2アサルトバスター並に重装備な
デッキへと変化した。マナベースは相当悲鳴をあげているが、この無茶な
マナベースにしても環境のRUGがMarvericによって駆逐されるであろう(されて!)
という希望的観測と、現在のメタでRUGとMarveric以外にマナ拘束戦略を好んで
積極的に取るプレイヤーは少数派だろうという予測から、今このメタゲームならば
イケると判断してのことだ。(とはいっても不毛連打を戦略に入れている相手に
万が一当たっても最低限デッキが機能するように基本地形は限界ラインの
四枚は確保。バーンは完全に諦める)
【反省】
では次に実際に当たったマッチアップについて見ていきたい。
最終成績
1-6
× Burn
× Dark Horizons
× Hight Tide
× Deadguy Ale
× MonoRed SneakAttack
× DarkHorizons
○ Trico Delver
くっさいくっさいゴブリンの葬式会場はこちら(笑)
・・・・・・いくら何でもこの当たりで1-6は誰が想像できただろうかか。
酷くても2-4-1くらいが想定できる範囲だろう。ここまで派手に負け散らかすと、
もはやその辺にいる野プレイヤーに昨日使ってたプレリのデッキを借りてそれで
大会に出た方がまだマシなように思えてしまうほどだ。では今回のAMCでは
何故ここまでの大敗を喫したのか、各マッチについて詳しく見ていきたい。
R1 Burn ××
この結果はG1初動の従僕がChainLightningされた時点で大体予測できた。
大部分が3点火力で構成されているBurnはその性質上相の手ライフを
20→17→14→11→8→5→1と削っていく。勿論、実際はここにゴブリンの先達や
ケルドの匪族といった偶数点カードが絡むのでここまで単純なライフ推移とは
ならないが、ビートダウンの場合はフェッチによって支払う1点がBurnとの勝負を
分けるポイントになることは珍しくない。例えば上記のパターンであればフェッチを
一枚切っただけで相手はフィニッシュが火炎破となるためキルターンが1ターン縮まり
必要ハンドも1枚少なくなる。このキルターンが1ターン早くなるというのが
ポイントで、基本的にビートダウンとBurnはノーガードでしばき合いする展開が
多いため先手後手のダイスロールが極めて重要になる。したがってその先手後手を
入れ替えるorビートダウンのブン回りからタッチの差で逃げ切ることに貢献して
しまうフェッチランドの起動は今回のように勝敗を分ける鍵となりかねない。
特殊地形の投入に至っては言わずもがな、である。これまで多色化を推し進める
ことで「発展」してきたゴブリンだったが、今回は皮肉にもその「代価」を文字通り
《発展の代価/Price of Progress》によって払う羽目になった。
G2は・・・深く考えるのは止めよう、男の子は泣かない。
R2 DarkHorizons ○××
G1はここ最近久しくやってなかった先手ゲーを演出、よかったね。問題はG2。
ボジューカの沼で聖遺を除去したときはまさにしてやったり!という感じで
押せ押せムードだったのだが、その後何事も無かったかのように相手の場に並び
続けるタルモと聖遺がどうにもこうにも。一方こちらは首謀者で
【土地、土地、土地、土地】と捲ってしまう運の無さ。そして土地4でハンドに溜まる
司令官とキキジキ。やっとのことで戦場に司令官を送り込んだと思ったら返しに
エルズペス、GG。さて、このゲームの勝敗を分けたのは何だったのか。
それはおそらくライブラリー操作の有無だろう。レポを読めば分かるように
とにかく相手は生物が途絶えず、一方こちらは噛み合わない首謀者とその後の
ドローに悩まされた。膠着状態において独楽+聖遺がいかに強力かはもはや
言うまでもないが、それに対してナチュラルドローで対抗しなければならないのは
流石に分が悪い。ボジューカの沼を従来の悪知恵にしていればどうにかなったのでは?
という考えもあるが、それだと結局、薬瓶諸共爆薬で吹き飛ばされていたのでやはり
負けていただろう。ボジューカの沼だけでなく罰する火もしっかり
活躍してくれただけにこの敗北は無念としか言いようがない。ぐぬぬ。
R3 HightTide ○××
G3について。焦点となるのは勿論サリアでこれがアメジストのとげであれば
勝てていたのではないか、ということだ。確かにサリアが棘であればよっぽどの
ことが無い限り勝てていたと思われる。しかし、サリアは2点クロックという
側面だけでなくハンデスやバウンスだけでなくカウンターにも強いという長所が
あるので一概にこれを棘に変更すれば全てが解決するというわけでもないのが
悩み所だ。現に対HightTideにおいてサリアは色マナを要求するという一点を除けば
棘よりもあらゆる点において優れており、仮にこれをとげにしていれば今度は
ANT相手に後手1ターン目に強迫を撃たれて泣きを見ていたであろうことは
間違いない。更に、サリアは最悪白マナが無くともHightTide相手であればT1の薬瓶から
十分に間に合うのだが・・・Will+白マナ源無し+薬瓶も無し。不運に不運が
重なってしまった。ぐぬぬ・・・
R4 DeadguyAle ××
G1,タモリをバールのようなもので殴り続けると死ぬ。
ゴブリン相手にファイレクシアの十字軍を連打すると死ぬ。
G2について。相手のT2サリアを見て従僕を薬瓶から出すまでは問題なかったが
その後の追加の薬瓶が結果的にミスプレイだった感は否めない。こちらT3の
薬瓶に関するプレイングには二つの選択肢があった。
1、相手がサイド後に入れるであろう茶破壊を見越して2枚目を設置するか、
それとも
2、Hymn避けの役割を担ってもらうためにハンドで待機してもらうか
ここで自分は相手がHymnを撃てるマナベースを構築していたにも関わらず
それをしてこなかったので前者を選択したわけだが、何事もなく相手は
T3にHymn。結果論と言ってしまえばそれまでだが、こちらの土地が2枚で
止まったことを考慮してもやはりあそこで2枚目の薬瓶をプレイする選択肢は
間違っていなかった・・・・・・と、思いたい。
R5 MonoRed SneakShow ××
ANTよりもHightTideよりもBelcharよりもHiveMindよりもSneakShowよりも
どうしようもない相手かもしれない。
R6 DarkHorizons ○××
G1は相手の初動思考囲いが選択をミスったっぽいのが勝敗に直結したと思われる。
G2はそういうものですし、お寿司。流石に剣鋤→Hymn→こっち土地ストップ→
腹心→十手というブン回りは如何ともし難い。こういう時に罰する火があると
全く違うのだが来ないものは仕方ない。
G3は・・・今日一番の自分好みなハンドで今日一番の理想的な動きを
出来ていた・・・5ターン目までは。現在のメタからしてDarkHorizonsも
Marveicをかなりメタっているはずで、サイドから除去が追加されることは容易に
想像できる。そして単体除去でなく全体除去を追加するとなるとその選択肢としては
破滅的な行為、仕組まれた爆薬が一般的でそれでも足りないようであれば
虐殺が投入される可能性がある(美徳の喪失や非業の死は自分への被害があるので)。
これを元に実際のG3に戻って考えると、土地が3枚あるにも関わらず相手は
破滅的な行為や爆薬の設置は無し、かつ場にPlateauを出しているこちら相手に
虐殺を撃ってこない・・・こうなると相手は全体除去を持っていないと考えるのが
自然ではないだろうか。こうした相手をトップ虐殺以外では積みの状態に
追い込むためハンドのゴブリンを可能な限り展開。おそらく自分以外他の
プレイヤーでも100人中99人は同じプレイをするであろうこの場面。
・・・・・・滅びは予測できへまへんがな。
全ての反省が終わったところで今回の敗因を一覧にしてみた。
R1:G1:負けるべくして負け
G2:相手土地トップデック→土地トップデック
R2:G2:ライブラリー操作の有無、噛み合わない首謀者とその後のドロー
G3:土地ストップ→聖遺から不毛嵌め
R3:G2:Will+4kill
G3:Will+4kill
R4:G1:ファイレクシアの十字軍×2
G2:トップHymn
R5:G1:三┏( ^o^)┛|樹海→|
G2:三┏( ^o^)┛|樹海→|
R6:G2:Hymnからの嵌めゲー
G3予想外の滅び
・・・ぶっちゃけデッキ構成やプレイングは勝敗と関係なかったのかもしれない。
こうしてアヴァシンの帰還リリース前最後の大会は過去最高のゴブリンで
過去最低の成績を叩き出すという予想外の結末を迎えた。成績だけ見ると本当に
絶望的な今大会だったが、マッチアップや詳しい試合内容にまで目を向けてみると
それほど悲観する必要もなく、むしろ罰する火やボジューカの沼に確かな手ごたえを
感じられた分、得るものの方が大きかった大会だったと言えよう。
今回はメインデッキのスペルについては1ヶ月以上前のものから殆ど変化していない
にも関わらず、土地とサイドボードの構成は本当に苦労に苦労を重ね一週間だけでも
二転三転どころか四転五転くらいはしてしまった。しかしそれだけ時間と労力を
かけただけに完成したデッキは十分納得のいく75枚となった。
「明日大会があってもまた今日と同じ75枚で出ます」というフレーズは概してその日の
成績優秀者が大会を振り返って述べる言葉であり、大会最下位タイの人間がそんな
ことを言っても説得力は皆無だろう。それでもここは敢えて声を大にして言いたい。
「明日大会があってもまた今日と同じ75枚で出ます」と。
現在のゴブリンが置かれているレガシー環境を振り返ると、少なくとも
サバイバル全盛期や精神的つまづきが跋扈していた一年前よりかは遥かにマシな
状況である(禁止カードが猛威を振るっていた時期と比較するというのもおかしな
話かもしれないが・・・)。そういうわけでここに魂の洞窟が加わればそれは
それは面白いことが起きそうではある。来週の今頃にはこの一部のローグを除けば
ゴブリンが最も有効に活用できる新戦力が加わることで各種大会結果やDNの新着記事で
「ゴブリン」という字面を見る機会もほんのちょっぴり、ほんのちょっぴりだが
増えるかもしれない。これまで散々MoxOpalやGoblinWarDriverなどのフェイクに騙され
続けてきただけに、明確な強化パーツの登場という意味では実に約4年半ぶりとなる
今回のニューカマーへの期待は高まるばかりだ。メインに非ゴブリンスペルを入れて
不可侵領域の土地構成にも手を出して、来週には更に特殊地形が増える・・・
と、サイボーグ化の激しいデッキであるが、今大会の感触や魂の洞窟の登場からして
ゴブリンはまだまだこのフォーマットでやっていけそうである。
前回参加した第二回エターナルフェスティバルから早半年・・・
殴打頭蓋を獲得して一躍トップメタに躍り出た石鍛冶の神秘家の活躍劇はその後も
留まるところを知らず、対策カードが刷られるどころか未練ある魂という追加戦力を
得て遂にGPを制覇するまでに至った。このEsperBladeによるGP優勝は世界に石鍛冶の
強さを改めて知らしめると共に、GPほどの大きな大会を経ても未だにレガシーの
メタゲームが石鍛冶に支配されているという厳然たる事実をプレイヤーに突きつけた。
これは『環境の多様性』と『どんなデッキでも工夫次第では輝ける』というレガシー
フォーマットの魅力に正面からNoを突きつける結果であり、プレイヤーに今の
レガシー環境はつまらない、と思わせるには十分だったことは想像に難くない。
しかし、メタの固定化とは裏を返せば環境の成熟化でもあり、それだけ倒すべき仮想敵が
ハッキリしているという側面も持ち合わせてる。したがって、これまでの対戦風景で
日常的に見られた メタ外or地雷踏んだ→負け、という個人の努力ではどうにもならない
ケースが減少し、より本人の実力がダイレクトに結果に反映される状況になった。
こうして闇の隆盛後のメタゲームは石鍛冶系デックとRUG、それにコンボを加えた
三つアーキタイプが週末毎に凌ぎを削るある意味健全(?)な様相を呈した。
ただ、いくら健全なメタゲームが展開されていようとも、上でも書いたように
『環境の多様性』が一番の売りであったレガシーにおいて少数のアーキタイプしか
勝ち抜けない現状はプレイヤーにとって決して面白いものではなかった。そして
時期を同じくして6月のGP横浜へと続くモダンシーズンが本格的に開幕したことも
相まって、国内のレガシープレイヤーの視線もそちらに向かうこととなった。
そんな折にプレビューが始まったアヴァシンの帰還で あるキーワード能力に注目が
集まった。ご存知「奇跡」である。このキーワード能力が数多くのライブラリー操作が
存在するレガシーにおいて活躍するであろうことは誰の目から見ても明らかだった。
例えば轟く怒りであれば一時話題になったものの、その不安性が故に次第に姿を消した
UR Burnについてプレイヤーに再考させる材料としては十分なものであったし、
時間の熟達に至っては将来的に渦巻く知識や師範の占い独楽を禁止するための
口実としてデザインされたのかと思わせる程だった。
だが、カードが公開されていくにつれアヴァシンの帰還で最もレガシーに影響を与える
カードを奇跡持ちのどれかだと断定するのは早計だったことが判明する。
奇跡以上にレガシーに影響を与えるかもしれないカード、魂の洞窟の登場である。
なぜ伝説でないのか、なぜアンタップインなのか、なぜ無色マナが出るのか
等々・・・印刷ミスとしか思えないこの土地がレガシープレイヤーに与えた
インパクトは計り知れなかった。これによって今後は従来の青系コントロールと
ビートダウンの相性が相当変化することは間違いないだろうし、特にゴブリンが
この土地から与れる恩恵は計り知れないだろう。こうしてアヴァシンの帰還は
成熟しきったレガシー環境に一石を投じると同時に、強力なライブラリー操作や
カウンターデッキがメタ的な意味と物理的な意味で環境から駆逐されるのでは
ないかという一抹の不安をプレイヤーに与えて今週末正式にリリースされる
運びとなった。
だがそのリリースを目前に控えた今、自分には一つやらなければならない
ことがあった。それは環境が変化する前にゴブリンで現環境の大会に
臨むことだった。本大会を迎えるにあたり、実は去年のエタフェス以降大会への足は
遠のいていたものの毎週行われるSCGオープンは勿論のこと、国内の平日大会の結果から
海外の怪しい大会の結果まで情報は丹念に追ってはいた。そしてデッキの調整も欠かさず
行い、常に明日大会があっても即参加できるという状態にデッキは温めていた。
この水面下での調整期間を経て、半年前の反省総括で書いた“新たな可性”
(※厳密に言えば新しいのではなく、ただご無沙汰していた期間が長かっただけ)
はその後のメタの推移もあって当初は予想すらしなかった方向へと大きく舵をきった。
そして最終的に完成したデッキは十分メタに適合し、個人的には過去最高点を付けても
いい素晴らしい仕上がりとなった。せっかくデッキを満足のいく形に練り上げることが
できたのだからそれを使う前に環境が変化してしまうのでは余りに惜しい・・・
ということでアヴァシェンの帰還がリリースしてメタが変化する直前の今大会に
急遽スケジュールを調整して参加することとなった。今回の反省総括では
イニストラードの発売後からどのようにレガシーのメタゲームが推移し、それに
あわせてゴブリンがどんな変化を遂げていったのか、その様子を交えながら
振り返りたい。
まずは、時を遡って精神的つまづきの禁止とイニストラードのリリース以降の
レガシー環境の変遷を振り返りたい。イニストラードで最もレガシーに影響を
与えたカードといえば秘密を掘り下げる者と瞬唱の魔道師の2枚で間違いない
だろう。秘密を掘り下げる者は“青いナカティル”と称されるほど強力な
新戦力として、これまで聖遺の騎士に辛酸を舐めさせられていたRUGを一躍
トップメタへと押し上げる立役者になると共に58枚が固定枠という従来の
CanadianThresholdを十人十色の個性あるアーキタイプへと変化させた。最後の
インビーテーショナルカードとして鳴り物入りで登場した瞬唱の魔道師は公式で
発表された直後からレガシーでの活躍が期待され、実際に蓋を開けてみても
瞬唱はドローに始まり除去からカウンター、おまけにバウンスまでなんでもござれの
縦横無尽の活躍をして環境を席巻した。最大勢力を誇る石鍛冶の支配にこの二つの
大きな変化が加わったことで、ゴブリンもデッキ内の除去事情に大きな変更を
迫られることとなった。それはずばり“序盤”から“確実”な仕事をして、かつ
再利用可能な除去の投入である。これは最序盤から強力なクロックを刻む秘密を
掘り下げる者と速やかに対処できなければ面倒なことになる石鍛冶の神秘家、
瞬唱の影響により日に日に使用枚数の減っていくタルモゴイフの現状を見れば
明らかだった。ここから、焼却者の枚数を抑えて代わりに溶岩使いを投入する
エタフェスでやったプランはメタの流れを汲む限り理に適った変更だといえる。
そして前回の総括、反省でも書いたようにこのプランは今後も継続して行われる
ものかと思われた・・・ ここで一旦、全体の流れを簡単に整理しよう。
①イニストラードによってレガシー環境に変化が起きた
②それはテンポデッキの復興、低P/T生物の増加である
③この変化の背景には瞬唱の魔道師と秘密を掘り下げる者の登場がある。
・秘密を掘り下げる者→テンポデッキの新戦力として大活躍
・瞬唱の魔道師→単体除去を使いまわすことで大型生物による
一点突破戦略を否定
④これによってゴブリンもメタに合わせたデッキの調整を迫られた
⑤具体的には小回りの効く除去の投入である。
・最序盤に出てきた秘密を掘り下げる者を除去できないとそのまま
押し切られる可能性が高いので。
・多くのデッキがクリーチャーの選定基準を
死んでも痛くない小型生物>大型生物 にシフトさせたため
・依然として石鍛冶は最大勢力であり続けているため。
⑥除去の候補として挙げられるのは2マナ以下、かつ再利用可能な火力が望ましい
・3マナ以上の除去では最速で登場する秘密を掘り下げる者と
石鍛冶の神秘家に間に合わないので
・一回こっきりの単体除去では瞬唱や石鍛冶を除去できても
結局アド損になっているので
・使いまわしのできる火力ならば生物のいないデッキ相手にも
腐ることがないので
⑦候補としては渋面の溶岩使い、暗黒破、DeathSpark、罰する火などが挙げられる。
⑧RUGがTier1だと仮定すると溶岩使いがベストではないだろうか。
これが去年のエターナルフェスティバル前に自分が行った環境分析だ。
※余談だが、個人的には除去と土地のパッケージは溶岩使い+不毛が他と
比べて最も合理的なので好きだ
しかしエタフェス以降もメタゲームは刻々と変化を続け、その結果、あれだけ
信頼を置いていた溶岩使いがまさかの降板を強いられることとなる。その契機は
GPインディアナポリスでRUGが予想よりも少なかったことと、そのRUGに対して
有利なMarvericがスレイベンの守護者、サリアを得たことで著しい躍進を遂げた
ことにあった。数ある除去の中から溶岩使いを採用する最大の理由はRUGに対して
フェッチ連打から基本地形による強固なマナベースを築くことと1マナと軽い秘密を
掘り下げる者に対してこちらも1マナの除去で対抗してテンポに喰らい
付いていくことにある。したがってRUGが想定していたほどは環境を
支配できていない(環境にいない)のであれば当然、除去枠に溶岩使いを
選択する必然性も薄れる。また、時を同じくしてGPで優勝したEsperBladeに対しても
溶岩使いだけでは迫り来る脅威に対処しきるのは難しいことが明らかとなった。
これらの変化をうけ、環境を席巻する強力なTier1に対抗すべく持ち出されたのが
前回のエタフェスではギリギリまで悩んで採用を見送った市長の塔だった。
事前の予想ではこれでメタデッキに対してそれなりの耐性が付くはずだったのだが
―――練習の結果、相手の不毛が破壊すべき対象を見つけられず、意図せずとも
最終的に市長の塔が不毛の的になるという事態が頻発した。そして問題は
これだけに留まらず、市長の塔はスロットの都合上不毛の大地と競合する為、
溶岩使いの餌を減らしてしまうというアンチシナジーも抱えていた。こうした問題点を
解消すべく白羽の矢が立ったのが燃え柳の木立ち(罰する火)である。
これならば燃え柳が相手の不毛の対象を撹乱する役目を果たすと同時にブリキや
悪知恵用の緑マナの捻出が容易になり、かつ罰する火の回収能力のおかげで
EsperBladeやリリアナのハンデスに対しても耐性が付くというわけだ。
と、このように文章にすると長く感じられる罰する火投入の経緯だが、罰する火の
アイディア自体は遥か昔、一度試していたため溶岩使いとの差し替えにそれほど
時間はかからなかった。また、当時は不毛とアンチシナジーだったので秒で没と
なった罰する火も今回は事前に不毛を市長の塔に差し替えていたため、
マナが伸び悩む問題も未然に防ぐことができた。除去と土地の組み合わせの
相性についてまとめるとこのようになる。
渋面の溶岩使い―不毛の大地 ○
渋面の溶岩使い―市長の塔 ×
罰する火――――不毛の大地 ×
罰する火――――市長の塔 ○
こうして去年のエタフェスの時点では秘密を掘り下げる者をTier1として
設定していたので歯牙にもかけなかった罰する火だったが、実際にデッキに
投入してみるとこれが(残念ながら勝敗には直結しなかったが)溶岩使いに負けずとも
劣らない大活躍をしてくれた。こうして、市長の塔+罰する火システムに緑を
削ることで前回の総括反省で書いた新たな可能性という四色目のタッチカラーを
断行し、そして締めにキラリと光るボジューカの沼をそれぞれメインとサイドに
1枚づつ差すことでゴブリンは最終的にV2アサルトバスター並に重装備な
デッキへと変化した。マナベースは相当悲鳴をあげているが、この無茶な
マナベースにしても環境のRUGがMarvericによって駆逐されるであろう(されて!)
という希望的観測と、現在のメタでRUGとMarveric以外にマナ拘束戦略を好んで
積極的に取るプレイヤーは少数派だろうという予測から、今このメタゲームならば
イケると判断してのことだ。(とはいっても不毛連打を戦略に入れている相手に
万が一当たっても最低限デッキが機能するように基本地形は限界ラインの
四枚は確保。バーンは完全に諦める)
【反省】
では次に実際に当たったマッチアップについて見ていきたい。
最終成績
1-6
× Burn
× Dark Horizons
× Hight Tide
× Deadguy Ale
× MonoRed SneakAttack
× DarkHorizons
○ Trico Delver
くっさいくっさいゴブリンの葬式会場はこちら(笑)
・・・・・・いくら何でもこの当たりで1-6は誰が想像できただろうかか。
酷くても2-4-1くらいが想定できる範囲だろう。ここまで派手に負け散らかすと、
もはやその辺にいる野プレイヤーに昨日使ってたプレリのデッキを借りてそれで
大会に出た方がまだマシなように思えてしまうほどだ。では今回のAMCでは
何故ここまでの大敗を喫したのか、各マッチについて詳しく見ていきたい。
R1 Burn ××
この結果はG1初動の従僕がChainLightningされた時点で大体予測できた。
大部分が3点火力で構成されているBurnはその性質上相の手ライフを
20→17→14→11→8→5→1と削っていく。勿論、実際はここにゴブリンの先達や
ケルドの匪族といった偶数点カードが絡むのでここまで単純なライフ推移とは
ならないが、ビートダウンの場合はフェッチによって支払う1点がBurnとの勝負を
分けるポイントになることは珍しくない。例えば上記のパターンであればフェッチを
一枚切っただけで相手はフィニッシュが火炎破となるためキルターンが1ターン縮まり
必要ハンドも1枚少なくなる。このキルターンが1ターン早くなるというのが
ポイントで、基本的にビートダウンとBurnはノーガードでしばき合いする展開が
多いため先手後手のダイスロールが極めて重要になる。したがってその先手後手を
入れ替えるorビートダウンのブン回りからタッチの差で逃げ切ることに貢献して
しまうフェッチランドの起動は今回のように勝敗を分ける鍵となりかねない。
特殊地形の投入に至っては言わずもがな、である。これまで多色化を推し進める
ことで「発展」してきたゴブリンだったが、今回は皮肉にもその「代価」を文字通り
《発展の代価/Price of Progress》によって払う羽目になった。
G2は・・・深く考えるのは止めよう、男の子は泣かない。
R2 DarkHorizons ○××
G1はここ最近久しくやってなかった先手ゲーを演出、よかったね。問題はG2。
ボジューカの沼で聖遺を除去したときはまさにしてやったり!という感じで
押せ押せムードだったのだが、その後何事も無かったかのように相手の場に並び
続けるタルモと聖遺がどうにもこうにも。一方こちらは首謀者で
【土地、土地、土地、土地】と捲ってしまう運の無さ。そして土地4でハンドに溜まる
司令官とキキジキ。やっとのことで戦場に司令官を送り込んだと思ったら返しに
エルズペス、GG。さて、このゲームの勝敗を分けたのは何だったのか。
それはおそらくライブラリー操作の有無だろう。レポを読めば分かるように
とにかく相手は生物が途絶えず、一方こちらは噛み合わない首謀者とその後の
ドローに悩まされた。膠着状態において独楽+聖遺がいかに強力かはもはや
言うまでもないが、それに対してナチュラルドローで対抗しなければならないのは
流石に分が悪い。ボジューカの沼を従来の悪知恵にしていればどうにかなったのでは?
という考えもあるが、それだと結局、薬瓶諸共爆薬で吹き飛ばされていたのでやはり
負けていただろう。ボジューカの沼だけでなく罰する火もしっかり
活躍してくれただけにこの敗北は無念としか言いようがない。ぐぬぬ。
R3 HightTide ○××
G3について。焦点となるのは勿論サリアでこれがアメジストのとげであれば
勝てていたのではないか、ということだ。確かにサリアが棘であればよっぽどの
ことが無い限り勝てていたと思われる。しかし、サリアは2点クロックという
側面だけでなくハンデスやバウンスだけでなくカウンターにも強いという長所が
あるので一概にこれを棘に変更すれば全てが解決するというわけでもないのが
悩み所だ。現に対HightTideにおいてサリアは色マナを要求するという一点を除けば
棘よりもあらゆる点において優れており、仮にこれをとげにしていれば今度は
ANT相手に後手1ターン目に強迫を撃たれて泣きを見ていたであろうことは
間違いない。更に、サリアは最悪白マナが無くともHightTide相手であればT1の薬瓶から
十分に間に合うのだが・・・Will+白マナ源無し+薬瓶も無し。不運に不運が
重なってしまった。ぐぬぬ・・・
R4 DeadguyAle ××
G1,タモリをバールのようなもので殴り続けると死ぬ。
ゴブリン相手にファイレクシアの十字軍を連打すると死ぬ。
G2について。相手のT2サリアを見て従僕を薬瓶から出すまでは問題なかったが
その後の追加の薬瓶が結果的にミスプレイだった感は否めない。こちらT3の
薬瓶に関するプレイングには二つの選択肢があった。
1、相手がサイド後に入れるであろう茶破壊を見越して2枚目を設置するか、
それとも
2、Hymn避けの役割を担ってもらうためにハンドで待機してもらうか
ここで自分は相手がHymnを撃てるマナベースを構築していたにも関わらず
それをしてこなかったので前者を選択したわけだが、何事もなく相手は
T3にHymn。結果論と言ってしまえばそれまでだが、こちらの土地が2枚で
止まったことを考慮してもやはりあそこで2枚目の薬瓶をプレイする選択肢は
間違っていなかった・・・・・・と、思いたい。
R5 MonoRed SneakShow ××
ANTよりもHightTideよりもBelcharよりもHiveMindよりもSneakShowよりも
どうしようもない相手かもしれない。
R6 DarkHorizons ○××
G1は相手の初動思考囲いが選択をミスったっぽいのが勝敗に直結したと思われる。
G2はそういうものですし、お寿司。流石に剣鋤→Hymn→こっち土地ストップ→
腹心→十手というブン回りは如何ともし難い。こういう時に罰する火があると
全く違うのだが来ないものは仕方ない。
G3は・・・今日一番の自分好みなハンドで今日一番の理想的な動きを
出来ていた・・・5ターン目までは。現在のメタからしてDarkHorizonsも
Marveicをかなりメタっているはずで、サイドから除去が追加されることは容易に
想像できる。そして単体除去でなく全体除去を追加するとなるとその選択肢としては
破滅的な行為、仕組まれた爆薬が一般的でそれでも足りないようであれば
虐殺が投入される可能性がある(美徳の喪失や非業の死は自分への被害があるので)。
これを元に実際のG3に戻って考えると、土地が3枚あるにも関わらず相手は
破滅的な行為や爆薬の設置は無し、かつ場にPlateauを出しているこちら相手に
虐殺を撃ってこない・・・こうなると相手は全体除去を持っていないと考えるのが
自然ではないだろうか。こうした相手をトップ虐殺以外では積みの状態に
追い込むためハンドのゴブリンを可能な限り展開。おそらく自分以外他の
プレイヤーでも100人中99人は同じプレイをするであろうこの場面。
・・・・・・滅びは予測できへまへんがな。
全ての反省が終わったところで今回の敗因を一覧にしてみた。
R1:G1:負けるべくして負け
G2:相手土地トップデック→土地トップデック
R2:G2:ライブラリー操作の有無、噛み合わない首謀者とその後のドロー
G3:土地ストップ→聖遺から不毛嵌め
R3:G2:Will+4kill
G3:Will+4kill
R4:G1:ファイレクシアの十字軍×2
G2:トップHymn
R5:G1:三┏( ^o^)┛|樹海→|
G2:三┏( ^o^)┛|樹海→|
R6:G2:Hymnからの嵌めゲー
G3予想外の滅び
・・・ぶっちゃけデッキ構成やプレイングは勝敗と関係なかったのかもしれない。
こうしてアヴァシンの帰還リリース前最後の大会は過去最高のゴブリンで
過去最低の成績を叩き出すという予想外の結末を迎えた。成績だけ見ると本当に
絶望的な今大会だったが、マッチアップや詳しい試合内容にまで目を向けてみると
それほど悲観する必要もなく、むしろ罰する火やボジューカの沼に確かな手ごたえを
感じられた分、得るものの方が大きかった大会だったと言えよう。
今回はメインデッキのスペルについては1ヶ月以上前のものから殆ど変化していない
にも関わらず、土地とサイドボードの構成は本当に苦労に苦労を重ね一週間だけでも
二転三転どころか四転五転くらいはしてしまった。しかしそれだけ時間と労力を
かけただけに完成したデッキは十分納得のいく75枚となった。
「明日大会があってもまた今日と同じ75枚で出ます」というフレーズは概してその日の
成績優秀者が大会を振り返って述べる言葉であり、大会最下位タイの人間がそんな
ことを言っても説得力は皆無だろう。それでもここは敢えて声を大にして言いたい。
「明日大会があってもまた今日と同じ75枚で出ます」と。
現在のゴブリンが置かれているレガシー環境を振り返ると、少なくとも
サバイバル全盛期や精神的つまづきが跋扈していた一年前よりかは遥かにマシな
状況である(禁止カードが猛威を振るっていた時期と比較するというのもおかしな
話かもしれないが・・・)。そういうわけでここに魂の洞窟が加わればそれは
それは面白いことが起きそうではある。来週の今頃にはこの一部のローグを除けば
ゴブリンが最も有効に活用できる新戦力が加わることで各種大会結果やDNの新着記事で
「ゴブリン」という字面を見る機会もほんのちょっぴり、ほんのちょっぴりだが
増えるかもしれない。これまで散々MoxOpalやGoblinWarDriverなどのフェイクに騙され
続けてきただけに、明確な強化パーツの登場という意味では実に約4年半ぶりとなる
今回のニューカマーへの期待は高まるばかりだ。メインに非ゴブリンスペルを入れて
不可侵領域の土地構成にも手を出して、来週には更に特殊地形が増える・・・
と、サイボーグ化の激しいデッキであるが、今大会の感触や魂の洞窟の登場からして
ゴブリンはまだまだこのフォーマットでやっていけそうである。
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