※画像
MOCS Season11
【総括】
今年も遂にやってきた秋の祭典EternalSestival
この日のためにM13発売以降、あれこれ
デッキ調整に明け暮れる日々だったが果たしてこれまでの
成果を出すことはできるか。当日は早めに目が覚めてしまったので
03:00からのDEに参加。これを4-0と快勝して残り10分から見始めた
サッカーも丁度点を取って快勝。インテル長友とかカイエン青山とか
何か知らんが凄そうだ。これは完全に流れが来ているっ・・・!
今回意識したデッキは以下の通り
RUG-Delver
TeamAmerica
UW-Miracle
DeedStill
UWx-Mystic
Marveric
Goblin
DeadguyAle(Eva)
Sneak(Omni)Show
Elves
Enchantress
Dredge
Reanimate
MUD
Burn
テンポ、コントロール、ビートダウン、コンボ、墓地系、その他
・・・意識したデッキっつーよりもそれっぽいデッキを羅列しただけだろ!
以前のエントリーでも書いたように、今回のような規模の大きい大会では
ローグを踏む可能性も普段と比べてグッと増すのでデッキパワーを犠牲にしてでも
メタに対応したピーキーなデッキを持ち込むとローグに脇腹を刺されてあっさり死ぬ、
という事態が往々にして発生する。したがってローグを踏み潰せるだけの
「デッキパワー」とTier1を想定した「対応力」の二つが今大会では必要であることを
考えると、これだけ多くのデッキを想定しなければならなかったものある意味
止むを得なかった。そしてエタフェス本番。実際に蓋を開けてみると・・・
最終結果:4-2-3
― RUG
○ Rw-Goblin
― DeedStill
― BigZoo
○ Burn
○ EsperBlade
× Dredge
× 12post
○ EsperBlade
(;^ν^)・・・
【反省】
R1のRUG戦について。
G1は相手のデッキはそういうものなので仕方ないと割り切ることが出来るものの、
G2で予想以上にお肉を引かなかったのがマズかった。
あと世間でもみ消し採用型のRUGが復権してきたこともこちらのプレイングを
あれこれ悩ませる原因となった。もみ消しが一番強い環境は入っている確率と
入っていない確率が五分五分のときであるが、そういう意味では今大会は
もみ消しにとって一番美味しい環境だったのではないだろうか。それにしても、
勝ちが9割方確定している状況で時間切れは・・・悔しい。くやしー!
R3のDeedStill戦について。
G1は死儀礼に分からされた一戦だった。従僕と戦争司令官を抑えつつ2点砲台として
機能するのだから事実上1:3交換をされているようなもので、死儀礼1体に削られた
10点が無ければどれ程G1は楽だっただろうか・・・無念。G2は罰する火が
とにかく偉かった。完全に詰んでいるあの状況からよく勝てたもんだ。感心感心。
R4のBigZoo戦について。
G2の罰する火の撃墜スコア。ナカティル1体、母1体、溶岩使い1体、タルモ1体、
サリア1体、聖遺1体の合計6体。スカルグさえ無ければ・・・ねー。
いや、正確に言うとスカルグがあったとしてもボジューカさえ引けていれば
聖遺に簡単に対処できたのだが、引けず。今の環境であればZooの無色土地の枠は
ボジューカと市長の塔と不毛で手一杯だと思い込んでいただけにショックは大きい。
くそー!くやしー!
R7のDredge戦について。
もしかしていけるかも!?→やっぱり駄目でした^^
G1を落とすとこちらの墓地対策カードの都合上、高確率で負けが確定するのだが、
今回もその例に漏れなかった。やはりG1を取れなかったのが直接の敗因だったか。
対Dredge、Reanimate戦では“勝つためにはサイドにそれなりの量の対策カードを
割かなければならないにも関わらず遭遇率は高くはない”という特徴がある。
つまり、対策するのは割に合わないのである。そういうわけでここ最近は
基本的に墓地系デッキは捨て試合として、刺さったらラッキー程度の認識で
他のデッキ相手に主目的で入れる遺産とボジューカを流用して勝てれば
儲けもんといったプランを取っていたが、やはり何だかんだいって負けるのは悔しい。
R8の12post戦について。
G1は自分、相手含め本日初となるダブマリに遭遇。こっち7枚キープだし流石に
これはいけるやろーと思ったのも束の間、死に札である罰する火を二枚も引いて
実はこちらも事実上のダブマリスタートだったという笑えないなオチ。今回の
デッキ構成は見ての通りボードデッキを意識した構成なのでこちらよりもより
大振りなボードコントロール相手には厳しいマッチアップになることは分かっていた。
そう考えるとこの結果はある意味順当なものだったと言えるのかもしれない。
【MTGにおける選択】
デッキを構築する際にカードはどのように選定すればいいか。
今回はこれについて考えてみたい。やり方としては主に2通りある。
①ビートダウン的カード選定方法
自分のデッキに焦点を当て、どのカードが自らのデッキコンセプトにマッチ
しているかという観点からカードを選んでいく方法。
②コントロール的カード選定方法
対戦相手のデッキに焦点を当て、どのカードが環境に存在するであろうデッキを
妨害するのに適しているかという観点からカードを選んでいく方法。
勿論、現実的にはこの両方の選定方法を使いながら75枚のカードを選ぶわけだが、
前者の要素が強いデッキはビートダウン寄りのデッキに、後者の要素が強いデッキは
コントロール寄りのデッキになる。このモデルから外れる例はMTGの歴史を
遡ってみてもまず無い(と、思われる)。
ここでGoblinの話をすると、このデッキはビートダウンの骨格をしているが、
女看守の存在と過去に刷られた莫大な量のユーティリティゴブリンのおかげで
コントロール的な性格も強く持ち合わせている。
ビートダウンという性質でいえば、もしかしたら同じ部族デッキでもMerfolkの
方がよっぽどかその傾向が強い可能性すらある。ビートダウン寄りの色であるはずの
Goblinがコントロールの色であるMerfolkよりもコントロールに長けているというのは
おかしな話だが、ともかくGoblinはコントロール的な要素が強い。そしてこれは
カードの性能がインフレし続け、結果的にコントロールとして振舞わざるを
得ない現状とも相まってGoblinのコントロールとしての姿に拍車をかけている。
(海外だと群衆追いと戦争司令官を多めに積んで相手に攻撃を躊躇わせるのが
一般的だが、クロックに対してクロックで抑止力をかけようとするのは流石
核保有国、といったところか)
話が逸れたので本題に戻ると、次に各カードの選定方法は具体的には
どのように進めればいいか。①は簡単だ。机に向かってひたすらソリティアに
励めばいい。デッキを回しているうちにどのカードがデッキコンセプトに
マッチしており、どのカードがマッチしていないのかは徐々に見えてくるはずなので
それに合わせてカードを取捨選択していけばいい。一方、②は相手がいなければ
できないので対人戦での調整が必須だ。スタンダードで毎年言われていることだが
「環境初期はビートダウンが多い」というのも、この相手のデッキが定まらなければ
コントロールは調整が始められないので形にならない、ということが
最大の要因として挙げられる。
だが、エターナルフォーマットであるレガシーにはローテーション制が
存在しないため、よっぽどマイナーなデッキ(鳥デッキとか?)を作るのでもない限り
ビートダウン的カード選定方法で悩む機会は殆どない。火力を入れたいのなら
稲妻、強力なクロックが欲しいならタルモゴイフ、ハンデスであれば思考囲い・・・
このようにテンプレに沿ってカードを選んでいけば大方間違いないのである。
真に頭を使うのはコントロール的選定方法によってカードを選択するときだ。
(これの典型例としてはDeedStillにおける除去の選択などが挙げられる)
では、どうすればコントロール選定方法で正しい選択をすることができるか。
まず前提としてコントロール選定方法にはビートダウンの存在が欠かせないのは
先に述べた通りだ。なのでやるべきことは兎にも角にも環境把握、ということになる。
デッキに必要なコントロール的カードは正しいメタゲームの設定が出来て初めて
何なのか見えてくる。
ここまではある意味MTGにおける常識である。常識であるのだが―――現実には
カードの採用理由などに関して以下のような解説がよく見受けられる。
「ゴブリンの5マナ圏の生物には包囲攻撃の司令官を採用。出した瞬間に
お供を連れてくるので、単体でだけでは仕事をしないキキジキと違って偉い。
それと2点飛ばす能力も膠着状態に陥りやすいゴブリンでは決め手になることも
多いし、十手や殴打頭蓋を誘発させない点も重要。あと忘れがちだけど地味に
Moatや果し合いの場を出されても頑張れるあたりがグッド (^ω^)」
一見、それらしい採用理由に見える。だが、実のところこの文章はカードの特徴を
羅列しただけにすぎないため、司令官を採用した理由の説明にはまるでなっていない。
ここから分かるのは包囲攻撃の司令官というカードの試合における仕事ぶりだけである。
確かにこの説明からは司令官が5マナ生物に相応しい活躍をするカードであることは
伺える。だが、よく考えてみればリミテッドでもあるまいし、構築戦は
カードプール全体から珠玉の60枚を選ぶのだから選択肢として俎上に上がる
カードは強くて当たり前なのである。特に殆どのカードが使用可能である
レガシーにおいてはその傾向は言わずもがな、である。したがって、ただ単に
カードの特徴を羅列するのであればキキジキにも独自の長所はあるため、
司令官とキキジキのどちらが良いか、一概には言えないはずだ。
本当に正しいプロセスを経て採用されたカードには例えばこんな感じの説明が
できるはずである。
「今回、自分は仮想敵をSneakShow、Zoo、RUGの三つに設定した。使うGoblinの
デッキコンセプトは2マナ圏を厚くしてアドバンテージよりも積極的に
ビートダウンを狙う低マナ、短期決戦型。短期決戦型なので当然アドバンテージ勝負に
持ち込むキキジキよりも司令官の方がデッキ構成にマッチしている。
また、ZooとRUG相手にGoblinは常に後手後手になるので瞬間的にブロッカーを
3体用意できる司令官は上で挙げたメタゲームにも合致している。
そして、SneakShow相手にも従僕から2ターン目に出す生物として司令官は
キキジキより優れており、対Sneak戦でキーカードになる群衆追いを強烈に
バックアップするという意味でもこの選択は正しい。」
「自分のデッキコンセプトを基に考えたとき、カードAはカードBよりも
コンセプトにマッチしている。次に、カードAはデッキaに対して強く、カードBは
デッキbに対して強いが、現在のメタゲームではデッキaの方がデッキbよりも
遭遇する可能性が高い。以上の二点を踏まえてカードBではなく
カードAを選ぶのが正しい」
ここまで説明されて初めてそのカードは正しい理由で選択された、
といえるのではないだろうか。逆に言えばカードBを使ったプレイヤーが運よく
上位入賞できたとしても、たまたまデッキaの地雷原を上手い具合に抜けて
都合良くデッキbばかりを踏んだのであればそれは“正しかった”というよりも
“運が良かった”と表現する方が適切である。勿論、運も含めてのMTGなのだから
一概にBを選んだプレイヤーのことを否定することも出来ないが、結果だけに
注目して「だからカードBを選ぶのが正しかったんだ!」と早合点するのは
明らかな誤謬であり、その先の行き着くところは次の大会での大敗だ。
最近の例で言えばプレイヤー選手権で優勝したジャンドを見てMOでこれの
完コピに走ったプレイヤーの例などが記憶に新しい。あのデッキは使用者も
解説しているように完全な顔メタを前提に作られたため、それをそのまま
群雄割拠が凌ぎを削るMOに持ち込んでも満足のいく結果が得られないのは
ある程度ジャンドに精通しているプレイヤーの目から見ればすぐに分かることだった。
真にやるべきことは(デッキコンセプトの明確化は当然として)、メタゲームの設定と
そこに存在するデッキに対して候補となるカード単体、もしくはそれらの組み合わせ、
場合によってはデッキ全体の構成がそれぞれ何点の働きをするのかを把握して
最も総合勝率の高い選択肢に辿り着くことだ。
逆に最もやってはならないことは自分の中で一度「強い!」という認識が
出来たカードを固定パーツと看做して採用し続けることだ。
なぜなら、デッキが勝てなくなった時にその固定パーツはデッキ構築の足枷に
なるだけでなく、場合によってはデッキ全体に歪みをもたらす元凶になる
可能性をも秘めているからだ。※ちなみに火花鍛冶に対するあてつけではない
数多くの情報から、自分にとって都合の良いものだけを引き出してそれを元に
「だからこの選択肢を選ぶことは正しい!」と、するのは最近よく云われている
確証バイアスというやつで、絶対に避けなければならない。
自らの私情を廃した上で、事実だけを積み上げてそこから論理的に正しい答えに
“行き着く”ことが複数の選択肢を並べられたときにすべきことだろう。
Aというデッキを「選んだ」プレイヤーとAというデッキに「行き着いた」プレイヤーは
第三者視点では同じに見えるかもしれない。だが、両者の最終成績や環境理解度などは
トーナメントレポートを見れば一目瞭然の差となって現れるだろう。
前置きが異様に長くなったが今回自分が迷ったのはカード選択を終えて迎えた
デッキ選択について。デッキの選択も基本的にはカードの選択と同じく、
いくつかの候補となるデッキが環境に存在するメタデッキに対してそれぞれ
どの程度の勝率を誇るか、といった基準を基に最も総合勝率の高いデッキを
選ぶのが正しい判断方法となる。
今回はRb-GoblinとRbg-Punishing-GoblinとRbg-Deathrite-Goblinの三つで迷いに迷った。
Rb-Goblinを選んだ場合・・・・・・
前提:エタフェスではSneakが最大候補である。
結論:したがって港と不毛を最大限活用できるRb-Goblinで出るのが正解である。
これは一見正しい。だが、これと同じく他の二つからも正しい前提は引き出せる。
例えば、
Rbg-Punishing-Gobinを選んだ場合・・・・・・
前提:Tier1のSneakを睨んでハンデスを主軸としたテンポデッキの増加が見込まれる。
結論:したがってスニークは沈む。ここはハンデスに耐性のある
Rbg-Punishing-Goblinを使うのが正解である。
Rbg-Deathrite-Goblinを選んだ場合・・・・・・
前提:9回戦を7-1-1で走り抜けるには爆発力もさることながらデッキの安定性が
必要不可欠である。
結論:したがってデッキは初手のキープが最も安定するRbg-Deathrite-Goblinを
使うべきである。
どの前提もそれなりの説得力を持っており、個別に見れば正しい。
したがって、そこから導き出される結論もそれ単体で見ればなるほど、と
納得してしまうものばかりである。つまり、ここで挙げた三つの前提は正しい
デッキ選択を行うための情報としてはまだ不十分と言わざるを得ない・・・
ということになる。
だが、メタゲームの設定はどこまでいってもあくまで仮定でしかなく、
他のプレイヤーの気まぐれでどうにでも変化する可能性を秘めているため、
絶対にこれが正しい!というメタの設定は事実上不可能である。前提となる
メタの絶対的な設定が不可能なのだから当然、そこから導かれる結論としての
選択にも絶対なものは存在し得ない・・・・・・と、考えると
最終候補をいくつか並べて選べない状態に陥るのはある意味健全な
調整を続けてきた証拠かもしれない。
・・・と、まぁこんな過程を経て、最終的に一番使い慣れたデッキが最も高い
パフォーマンスを発揮できるだろう、ということで前回と同じ選択をした。
今回はかなり時間をかけてじっくり調整しただけあってデッキ構成は悪くなかった。
いわゆる“明日大会があってもこれと同じ75枚で出ます”系の感触を得ることができた。
相当厳しい状況からでも罰する火で巻き返しができたというのはそれだけ構築が
上手くいっていた証拠だと思いたい。唯一の誤算はまさかここまで時間切れを
連発するとは予想できなかったことか。練習をMO上でやっていた弊害が
ここにきてモロに出てしまった。
こうして、かなり力を込めて臨んだ第三回EternalFrestivalは煮え切らない幕引きとなった。
だが、良かった部分は良しとして次回以降はこれまで特に意識してこなかった
時間切れに注意して今まで以上に素早いプレイングを心がけたい。エタフェスは
これでひとまず一区切りだが先週土曜日には遂にMOにもRTRがリリースされ
新環境が始まった。次の大会に向けてさっそく死儀礼のシャーマンをデッキに
投入して実戦形式であれこれ試してみたいものだ。
MOCS Season11
【総括】
今年も遂にやってきた秋の祭典EternalSestival
この日のためにM13発売以降、あれこれ
デッキ調整に明け暮れる日々だったが果たしてこれまでの
成果を出すことはできるか。当日は早めに目が覚めてしまったので
03:00からのDEに参加。これを4-0と快勝して残り10分から見始めた
サッカーも丁度点を取って快勝。インテル長友とかカイエン青山とか
何か知らんが凄そうだ。これは完全に流れが来ているっ・・・!
今回意識したデッキは以下の通り
RUG-Delver
TeamAmerica
UW-Miracle
DeedStill
UWx-Mystic
Marveric
Goblin
DeadguyAle(Eva)
Sneak(Omni)Show
Elves
Enchantress
Dredge
Reanimate
MUD
Burn
テンポ、コントロール、ビートダウン、コンボ、墓地系、その他
・・・意識したデッキっつーよりもそれっぽいデッキを羅列しただけだろ!
以前のエントリーでも書いたように、今回のような規模の大きい大会では
ローグを踏む可能性も普段と比べてグッと増すのでデッキパワーを犠牲にしてでも
メタに対応したピーキーなデッキを持ち込むとローグに脇腹を刺されてあっさり死ぬ、
という事態が往々にして発生する。したがってローグを踏み潰せるだけの
「デッキパワー」とTier1を想定した「対応力」の二つが今大会では必要であることを
考えると、これだけ多くのデッキを想定しなければならなかったものある意味
止むを得なかった。そしてエタフェス本番。実際に蓋を開けてみると・・・
最終結果:4-2-3
― RUG
○ Rw-Goblin
― DeedStill
― BigZoo
○ Burn
○ EsperBlade
× Dredge
× 12post
○ EsperBlade
(;^ν^)・・・
【反省】
R1のRUG戦について。
G1は相手のデッキはそういうものなので仕方ないと割り切ることが出来るものの、
G2で予想以上にお肉を引かなかったのがマズかった。
あと世間でもみ消し採用型のRUGが復権してきたこともこちらのプレイングを
あれこれ悩ませる原因となった。もみ消しが一番強い環境は入っている確率と
入っていない確率が五分五分のときであるが、そういう意味では今大会は
もみ消しにとって一番美味しい環境だったのではないだろうか。それにしても、
勝ちが9割方確定している状況で時間切れは・・・悔しい。くやしー!
R3のDeedStill戦について。
G1は死儀礼に分からされた一戦だった。従僕と戦争司令官を抑えつつ2点砲台として
機能するのだから事実上1:3交換をされているようなもので、死儀礼1体に削られた
10点が無ければどれ程G1は楽だっただろうか・・・無念。G2は罰する火が
とにかく偉かった。完全に詰んでいるあの状況からよく勝てたもんだ。感心感心。
R4のBigZoo戦について。
G2の罰する火の撃墜スコア。ナカティル1体、母1体、溶岩使い1体、タルモ1体、
サリア1体、聖遺1体の合計6体。スカルグさえ無ければ・・・ねー。
いや、正確に言うとスカルグがあったとしてもボジューカさえ引けていれば
聖遺に簡単に対処できたのだが、引けず。今の環境であればZooの無色土地の枠は
ボジューカと市長の塔と不毛で手一杯だと思い込んでいただけにショックは大きい。
くそー!くやしー!
R7のDredge戦について。
もしかしていけるかも!?→やっぱり駄目でした^^
G1を落とすとこちらの墓地対策カードの都合上、高確率で負けが確定するのだが、
今回もその例に漏れなかった。やはりG1を取れなかったのが直接の敗因だったか。
対Dredge、Reanimate戦では“勝つためにはサイドにそれなりの量の対策カードを
割かなければならないにも関わらず遭遇率は高くはない”という特徴がある。
つまり、対策するのは割に合わないのである。そういうわけでここ最近は
基本的に墓地系デッキは捨て試合として、刺さったらラッキー程度の認識で
他のデッキ相手に主目的で入れる遺産とボジューカを流用して勝てれば
儲けもんといったプランを取っていたが、やはり何だかんだいって負けるのは悔しい。
R8の12post戦について。
G1は自分、相手含め本日初となるダブマリに遭遇。こっち7枚キープだし流石に
これはいけるやろーと思ったのも束の間、死に札である罰する火を二枚も引いて
実はこちらも事実上のダブマリスタートだったという笑えないなオチ。今回の
デッキ構成は見ての通りボードデッキを意識した構成なのでこちらよりもより
大振りなボードコントロール相手には厳しいマッチアップになることは分かっていた。
そう考えるとこの結果はある意味順当なものだったと言えるのかもしれない。
【MTGにおける選択】
デッキを構築する際にカードはどのように選定すればいいか。
今回はこれについて考えてみたい。やり方としては主に2通りある。
①ビートダウン的カード選定方法
自分のデッキに焦点を当て、どのカードが自らのデッキコンセプトにマッチ
しているかという観点からカードを選んでいく方法。
②コントロール的カード選定方法
対戦相手のデッキに焦点を当て、どのカードが環境に存在するであろうデッキを
妨害するのに適しているかという観点からカードを選んでいく方法。
勿論、現実的にはこの両方の選定方法を使いながら75枚のカードを選ぶわけだが、
前者の要素が強いデッキはビートダウン寄りのデッキに、後者の要素が強いデッキは
コントロール寄りのデッキになる。このモデルから外れる例はMTGの歴史を
遡ってみてもまず無い(と、思われる)。
ここでGoblinの話をすると、このデッキはビートダウンの骨格をしているが、
女看守の存在と過去に刷られた莫大な量のユーティリティゴブリンのおかげで
コントロール的な性格も強く持ち合わせている。
ビートダウンという性質でいえば、もしかしたら同じ部族デッキでもMerfolkの
方がよっぽどかその傾向が強い可能性すらある。ビートダウン寄りの色であるはずの
Goblinがコントロールの色であるMerfolkよりもコントロールに長けているというのは
おかしな話だが、ともかくGoblinはコントロール的な要素が強い。そしてこれは
カードの性能がインフレし続け、結果的にコントロールとして振舞わざるを
得ない現状とも相まってGoblinのコントロールとしての姿に拍車をかけている。
(海外だと群衆追いと戦争司令官を多めに積んで相手に攻撃を躊躇わせるのが
一般的だが、クロックに対してクロックで抑止力をかけようとするのは流石
核保有国、といったところか)
話が逸れたので本題に戻ると、次に各カードの選定方法は具体的には
どのように進めればいいか。①は簡単だ。机に向かってひたすらソリティアに
励めばいい。デッキを回しているうちにどのカードがデッキコンセプトに
マッチしており、どのカードがマッチしていないのかは徐々に見えてくるはずなので
それに合わせてカードを取捨選択していけばいい。一方、②は相手がいなければ
できないので対人戦での調整が必須だ。スタンダードで毎年言われていることだが
「環境初期はビートダウンが多い」というのも、この相手のデッキが定まらなければ
コントロールは調整が始められないので形にならない、ということが
最大の要因として挙げられる。
だが、エターナルフォーマットであるレガシーにはローテーション制が
存在しないため、よっぽどマイナーなデッキ(鳥デッキとか?)を作るのでもない限り
ビートダウン的カード選定方法で悩む機会は殆どない。火力を入れたいのなら
稲妻、強力なクロックが欲しいならタルモゴイフ、ハンデスであれば思考囲い・・・
このようにテンプレに沿ってカードを選んでいけば大方間違いないのである。
真に頭を使うのはコントロール的選定方法によってカードを選択するときだ。
(これの典型例としてはDeedStillにおける除去の選択などが挙げられる)
では、どうすればコントロール選定方法で正しい選択をすることができるか。
まず前提としてコントロール選定方法にはビートダウンの存在が欠かせないのは
先に述べた通りだ。なのでやるべきことは兎にも角にも環境把握、ということになる。
デッキに必要なコントロール的カードは正しいメタゲームの設定が出来て初めて
何なのか見えてくる。
ここまではある意味MTGにおける常識である。常識であるのだが―――現実には
カードの採用理由などに関して以下のような解説がよく見受けられる。
「ゴブリンの5マナ圏の生物には包囲攻撃の司令官を採用。出した瞬間に
お供を連れてくるので、単体でだけでは仕事をしないキキジキと違って偉い。
それと2点飛ばす能力も膠着状態に陥りやすいゴブリンでは決め手になることも
多いし、十手や殴打頭蓋を誘発させない点も重要。あと忘れがちだけど地味に
Moatや果し合いの場を出されても頑張れるあたりがグッド (^ω^)」
一見、それらしい採用理由に見える。だが、実のところこの文章はカードの特徴を
羅列しただけにすぎないため、司令官を採用した理由の説明にはまるでなっていない。
ここから分かるのは包囲攻撃の司令官というカードの試合における仕事ぶりだけである。
確かにこの説明からは司令官が5マナ生物に相応しい活躍をするカードであることは
伺える。だが、よく考えてみればリミテッドでもあるまいし、構築戦は
カードプール全体から珠玉の60枚を選ぶのだから選択肢として俎上に上がる
カードは強くて当たり前なのである。特に殆どのカードが使用可能である
レガシーにおいてはその傾向は言わずもがな、である。したがって、ただ単に
カードの特徴を羅列するのであればキキジキにも独自の長所はあるため、
司令官とキキジキのどちらが良いか、一概には言えないはずだ。
本当に正しいプロセスを経て採用されたカードには例えばこんな感じの説明が
できるはずである。
「今回、自分は仮想敵をSneakShow、Zoo、RUGの三つに設定した。使うGoblinの
デッキコンセプトは2マナ圏を厚くしてアドバンテージよりも積極的に
ビートダウンを狙う低マナ、短期決戦型。短期決戦型なので当然アドバンテージ勝負に
持ち込むキキジキよりも司令官の方がデッキ構成にマッチしている。
また、ZooとRUG相手にGoblinは常に後手後手になるので瞬間的にブロッカーを
3体用意できる司令官は上で挙げたメタゲームにも合致している。
そして、SneakShow相手にも従僕から2ターン目に出す生物として司令官は
キキジキより優れており、対Sneak戦でキーカードになる群衆追いを強烈に
バックアップするという意味でもこの選択は正しい。」
「自分のデッキコンセプトを基に考えたとき、カードAはカードBよりも
コンセプトにマッチしている。次に、カードAはデッキaに対して強く、カードBは
デッキbに対して強いが、現在のメタゲームではデッキaの方がデッキbよりも
遭遇する可能性が高い。以上の二点を踏まえてカードBではなく
カードAを選ぶのが正しい」
ここまで説明されて初めてそのカードは正しい理由で選択された、
といえるのではないだろうか。逆に言えばカードBを使ったプレイヤーが運よく
上位入賞できたとしても、たまたまデッキaの地雷原を上手い具合に抜けて
都合良くデッキbばかりを踏んだのであればそれは“正しかった”というよりも
“運が良かった”と表現する方が適切である。勿論、運も含めてのMTGなのだから
一概にBを選んだプレイヤーのことを否定することも出来ないが、結果だけに
注目して「だからカードBを選ぶのが正しかったんだ!」と早合点するのは
明らかな誤謬であり、その先の行き着くところは次の大会での大敗だ。
最近の例で言えばプレイヤー選手権で優勝したジャンドを見てMOでこれの
完コピに走ったプレイヤーの例などが記憶に新しい。あのデッキは使用者も
解説しているように完全な顔メタを前提に作られたため、それをそのまま
群雄割拠が凌ぎを削るMOに持ち込んでも満足のいく結果が得られないのは
ある程度ジャンドに精通しているプレイヤーの目から見ればすぐに分かることだった。
真にやるべきことは(デッキコンセプトの明確化は当然として)、メタゲームの設定と
そこに存在するデッキに対して候補となるカード単体、もしくはそれらの組み合わせ、
場合によってはデッキ全体の構成がそれぞれ何点の働きをするのかを把握して
最も総合勝率の高い選択肢に辿り着くことだ。
逆に最もやってはならないことは自分の中で一度「強い!」という認識が
出来たカードを固定パーツと看做して採用し続けることだ。
なぜなら、デッキが勝てなくなった時にその固定パーツはデッキ構築の足枷に
なるだけでなく、場合によってはデッキ全体に歪みをもたらす元凶になる
可能性をも秘めているからだ。※ちなみに火花鍛冶に対するあてつけではない
数多くの情報から、自分にとって都合の良いものだけを引き出してそれを元に
「だからこの選択肢を選ぶことは正しい!」と、するのは最近よく云われている
確証バイアスというやつで、絶対に避けなければならない。
自らの私情を廃した上で、事実だけを積み上げてそこから論理的に正しい答えに
“行き着く”ことが複数の選択肢を並べられたときにすべきことだろう。
Aというデッキを「選んだ」プレイヤーとAというデッキに「行き着いた」プレイヤーは
第三者視点では同じに見えるかもしれない。だが、両者の最終成績や環境理解度などは
トーナメントレポートを見れば一目瞭然の差となって現れるだろう。
前置きが異様に長くなったが今回自分が迷ったのはカード選択を終えて迎えた
デッキ選択について。デッキの選択も基本的にはカードの選択と同じく、
いくつかの候補となるデッキが環境に存在するメタデッキに対してそれぞれ
どの程度の勝率を誇るか、といった基準を基に最も総合勝率の高いデッキを
選ぶのが正しい判断方法となる。
今回はRb-GoblinとRbg-Punishing-GoblinとRbg-Deathrite-Goblinの三つで迷いに迷った。
Rb-Goblinを選んだ場合・・・・・・
前提:エタフェスではSneakが最大候補である。
結論:したがって港と不毛を最大限活用できるRb-Goblinで出るのが正解である。
これは一見正しい。だが、これと同じく他の二つからも正しい前提は引き出せる。
例えば、
Rbg-Punishing-Gobinを選んだ場合・・・・・・
前提:Tier1のSneakを睨んでハンデスを主軸としたテンポデッキの増加が見込まれる。
結論:したがってスニークは沈む。ここはハンデスに耐性のある
Rbg-Punishing-Goblinを使うのが正解である。
Rbg-Deathrite-Goblinを選んだ場合・・・・・・
前提:9回戦を7-1-1で走り抜けるには爆発力もさることながらデッキの安定性が
必要不可欠である。
結論:したがってデッキは初手のキープが最も安定するRbg-Deathrite-Goblinを
使うべきである。
どの前提もそれなりの説得力を持っており、個別に見れば正しい。
したがって、そこから導き出される結論もそれ単体で見ればなるほど、と
納得してしまうものばかりである。つまり、ここで挙げた三つの前提は正しい
デッキ選択を行うための情報としてはまだ不十分と言わざるを得ない・・・
ということになる。
だが、メタゲームの設定はどこまでいってもあくまで仮定でしかなく、
他のプレイヤーの気まぐれでどうにでも変化する可能性を秘めているため、
絶対にこれが正しい!というメタの設定は事実上不可能である。前提となる
メタの絶対的な設定が不可能なのだから当然、そこから導かれる結論としての
選択にも絶対なものは存在し得ない・・・・・・と、考えると
最終候補をいくつか並べて選べない状態に陥るのはある意味健全な
調整を続けてきた証拠かもしれない。
・・・と、まぁこんな過程を経て、最終的に一番使い慣れたデッキが最も高い
パフォーマンスを発揮できるだろう、ということで前回と同じ選択をした。
今回はかなり時間をかけてじっくり調整しただけあってデッキ構成は悪くなかった。
いわゆる“明日大会があってもこれと同じ75枚で出ます”系の感触を得ることができた。
相当厳しい状況からでも罰する火で巻き返しができたというのはそれだけ構築が
上手くいっていた証拠だと思いたい。唯一の誤算はまさかここまで時間切れを
連発するとは予想できなかったことか。練習をMO上でやっていた弊害が
ここにきてモロに出てしまった。
こうして、かなり力を込めて臨んだ第三回EternalFrestivalは煮え切らない幕引きとなった。
だが、良かった部分は良しとして次回以降はこれまで特に意識してこなかった
時間切れに注意して今まで以上に素早いプレイングを心がけたい。エタフェスは
これでひとまず一区切りだが先週土曜日には遂にMOにもRTRがリリースされ
新環境が始まった。次の大会に向けてさっそく死儀礼のシャーマンをデッキに
投入して実戦形式であれこれ試してみたいものだ。
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