7月5日(土)に開催されたレガシー神決定戦。自分は以下のようなサイドボードで9回戦の長丁場に臨みました。
4《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
4《真髄の針/Pithing Needle》
1《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》
1《タクタクの潰し屋/Tuktuk Scrapper》
1《猪牙のしもべ/Boartusk Liege》
1《稲妻造り士/Lightning Crafter》
1《ヤスデ団/Earing Squad》
1《万力鎖/Manriki-Gusari 》
1《市長の塔/Tower of the Magistrate》
殆どはゴブリンのサイドボードでよく見る定番カードですが、渋面の溶岩使いと万力鎖だけは一般的ではありません。なぜこの2枚をゴブリンのサイドに入れたのか?
看守でサーチできるからだよ! HAHAHA!
今回はその理由について説明したいと思います。
※大して面白い内容じゃないです。
◆対策カードには腐る可能性があるものと腐ることが無いものがある
本題に行く前に少し脱線しますが、相手の脅威に対抗するためにサイドから投入される対策系カードには腐る可能性があるものと腐る可能性が無いものがあります。
具体的にいうと前者が解呪や真髄の針で後者がクァーサルの群れ魔道師やファイレクシアの破棄者にあたります。
両者の違いは前者が破壊したい置物を相手がプレイしてくれない間はハンドで腐っているのに対して、後者は破壊したい置物を相手がプレイしなくてもアタッカーとして能動的に使えるのでハンドで腐ることがないという点です。前者を“守りの対策カード”とするならば、後者は“攻めの対策カード”といったところでしょうか。
ここから、相手のデッキに絶対に対処したいカード(騙し打ち、魔の魅惑等)が入っているときは確実に仕事をこなす守りの対策カードを使うべきで、逆に出来れば壊したい程度の置物しか入ってないor対象になるカードが少ないというデッキを相手にする時は攻めの対策カードを使べき※ということが言えそうです。
ちなみに、撃つ対象に困らない親和やエンチャントレスを相手にするときは解呪もクァーサルもあるだけ全部積めばいい、という結論になります。
※針についてはサイクリングを防げるので厳密には違いますが・・・
※こうして考えると突然の衰微は腐ることがなく更に確実性も高いという、対策カードとして両者の美味しいところだけを取った狂ったカードだということが分かりましね。
◆タクタクの潰し屋とタール火は守りの対策カードである
さて、ここで少し本題に近づきます。
今回自分が使ったデッキにはタクタクの潰し屋とタール火がメインサイド合わせて2枚づつ入っていますが、これらはどちらも相手の小型クリーチャーや装備品に対してリアクティブに使う守りの対策カードです。したがって上でも説明したように相手が小型クリーチャーや装備品を出してくれなければその間はハンドで腐ることになります。
勿論、テンポデッキにしても、石鍛冶系のデッキにしてもデルバーや死儀礼、装備品といったカードは一番の勝ち筋なのでこちらの1枚目のタクタクやタール火が仕事をしないということはまず無いでしょう。
しかし、ハンドに来てしまった2枚目のタクタクやタール火が仕事をするかどうかというと・・・実はこれがかなり怪しくなってきます。
というのも、テンポデッキにしても石鍛冶デッキにしても小型クリーチャと装備品はメインの勝ち筋ではあっても、デッキ内唯一の勝ち筋というわけではないからです。デルバーを除去された返しでタルモを連打してきたり、十手を割られた後に瞬唱+剣鋤でこちらの場を退かしてネメシスで殴ってくるような動きもよくあるわけです。
それら別の勝ち筋を取ってきた相手に対して引いてしまった2枚目のタクタクやタール火は事実上の死に札になります。
◆ゴブリンデッキに3枚入っているカードは結構な確率でダブる。
ここで感覚的な話になって申し訳ないのですが、ゴブリンデッキに3枚入っているカードは結構な確率でダブります。というのも、ゴブリンは青のドロースペルが無いとはいえ看守、焼却者、首謀者によってハンドアドバンテージを比較的稼ぎやすいデッキだからです。この3種類のアドバンテージカードのお陰で“デッキに3枚入れてる戦長や焼却者の2枚目をゲーム中盤で引いた”というようなケースは往々にして発生します。というか、実際に回してみれば分かりますが、こんなケースしょっちゅうあります。
◆溶岩使いと万力鎖はそれぞれ“3枚目”の役割を担っている。
そしてやっと本題です。上でゴブリンデッキに同じカードを3枚入れるとダブる、と説明しましたが、
溶岩使いと万力鎖はズバリ、タール火やタクタクの潰し屋がダブって腐ることを防ぐために、3枚目の小型クリーチャー対策、装備品対策としてデッキに入れられています。
溶岩使いと万力鎖は確実性という意味ではタール火とタクタクに劣ります。しかし、それらとは異なり相手が小型クリーチャーと装備品を出さなかった場合でも一定の働きはしてくれるので腐ることがありません。例えば溶岩使いであれば墓地のタール火と薬瓶をリムーブすることでタルモやマングースを牽制しつつ、後続クリーチャーを除去から守る避雷針としての役割を果たします。また、万力鎖であればこちらのクリーチャーを稲妻や罰する火等の射程圏外に押しやり、煽動者で石鍛冶と死儀礼を超えるためサポートまでこなします。
このように、溶岩使いと万力鎖は現在のメタに非常にマッチしており、タール火やタクタクに代わるだけの十分な理由があったのでデッキに投入するに至りました。サイドカードを散らすことはMTGにおいては一般的な戦術ですが、なぜか1枚づつ採用されている溶岩使いと万力鎖にはこういう理由があったわけです。
まぁ全てはタール火とタクタクが弱いのがいけないんですけどね。
クァーサルの群れ魔道師や再利用の賢者なんて贅沢なことは言わないので、せめて松明の悪鬼や躁の蛮人くらいはゴブリンで刷り直して欲しいですね・・・
4《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
4《真髄の針/Pithing Needle》
1《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》
1《タクタクの潰し屋/Tuktuk Scrapper》
1《猪牙のしもべ/Boartusk Liege》
1《稲妻造り士/Lightning Crafter》
1《ヤスデ団/Earing Squad》
1《万力鎖/Manriki-Gusari 》
1《市長の塔/Tower of the Magistrate》
殆どはゴブリンのサイドボードでよく見る定番カードですが、渋面の溶岩使いと万力鎖だけは一般的ではありません。なぜこの2枚をゴブリンのサイドに入れたのか?
今回はその理由について説明したいと思います。
※大して面白い内容じゃないです。
◆対策カードには腐る可能性があるものと腐ることが無いものがある
本題に行く前に少し脱線しますが、相手の脅威に対抗するためにサイドから投入される対策系カードには腐る可能性があるものと腐る可能性が無いものがあります。
具体的にいうと前者が解呪や真髄の針で後者がクァーサルの群れ魔道師やファイレクシアの破棄者にあたります。
両者の違いは前者が破壊したい置物を相手がプレイしてくれない間はハンドで腐っているのに対して、後者は破壊したい置物を相手がプレイしなくてもアタッカーとして能動的に使えるのでハンドで腐ることがないという点です。前者を“守りの対策カード”とするならば、後者は“攻めの対策カード”といったところでしょうか。
ここから、相手のデッキに絶対に対処したいカード(騙し打ち、魔の魅惑等)が入っているときは確実に仕事をこなす守りの対策カードを使うべきで、逆に出来れば壊したい程度の置物しか入ってないor対象になるカードが少ないというデッキを相手にする時は攻めの対策カードを使べき※ということが言えそうです。
ちなみに、撃つ対象に困らない親和やエンチャントレスを相手にするときは解呪もクァーサルもあるだけ全部積めばいい、という結論になります。
※針についてはサイクリングを防げるので厳密には違いますが・・・
※こうして考えると突然の衰微は腐ることがなく更に確実性も高いという、対策カードとして両者の美味しいところだけを取った狂ったカードだということが分かりましね。
◆タクタクの潰し屋とタール火は守りの対策カードである
さて、ここで少し本題に近づきます。
今回自分が使ったデッキにはタクタクの潰し屋とタール火がメインサイド合わせて2枚づつ入っていますが、これらはどちらも相手の小型クリーチャーや装備品に対してリアクティブに使う守りの対策カードです。したがって上でも説明したように相手が小型クリーチャーや装備品を出してくれなければその間はハンドで腐ることになります。
勿論、テンポデッキにしても、石鍛冶系のデッキにしてもデルバーや死儀礼、装備品といったカードは一番の勝ち筋なのでこちらの1枚目のタクタクやタール火が仕事をしないということはまず無いでしょう。
しかし、ハンドに来てしまった2枚目のタクタクやタール火が仕事をするかどうかというと・・・実はこれがかなり怪しくなってきます。
というのも、テンポデッキにしても石鍛冶デッキにしても小型クリーチャと装備品はメインの勝ち筋ではあっても、デッキ内唯一の勝ち筋というわけではないからです。デルバーを除去された返しでタルモを連打してきたり、十手を割られた後に瞬唱+剣鋤でこちらの場を退かしてネメシスで殴ってくるような動きもよくあるわけです。
それら別の勝ち筋を取ってきた相手に対して引いてしまった2枚目のタクタクやタール火は事実上の死に札になります。
◆ゴブリンデッキに3枚入っているカードは結構な確率でダブる。
ここで感覚的な話になって申し訳ないのですが、ゴブリンデッキに3枚入っているカードは結構な確率でダブります。というのも、ゴブリンは青のドロースペルが無いとはいえ看守、焼却者、首謀者によってハンドアドバンテージを比較的稼ぎやすいデッキだからです。この3種類のアドバンテージカードのお陰で“デッキに3枚入れてる戦長や焼却者の2枚目をゲーム中盤で引いた”というようなケースは往々にして発生します。というか、実際に回してみれば分かりますが、こんなケースしょっちゅうあります。
◆溶岩使いと万力鎖はそれぞれ“3枚目”の役割を担っている。
そしてやっと本題です。上でゴブリンデッキに同じカードを3枚入れるとダブる、と説明しましたが、
溶岩使いと万力鎖はズバリ、タール火やタクタクの潰し屋がダブって腐ることを防ぐために、3枚目の小型クリーチャー対策、装備品対策としてデッキに入れられています。
溶岩使いと万力鎖は確実性という意味ではタール火とタクタクに劣ります。しかし、それらとは異なり相手が小型クリーチャーと装備品を出さなかった場合でも一定の働きはしてくれるので腐ることがありません。例えば溶岩使いであれば墓地のタール火と薬瓶をリムーブすることでタルモやマングースを牽制しつつ、後続クリーチャーを除去から守る避雷針としての役割を果たします。また、万力鎖であればこちらのクリーチャーを稲妻や罰する火等の射程圏外に押しやり、煽動者で石鍛冶と死儀礼を超えるためサポートまでこなします。
このように、溶岩使いと万力鎖は現在のメタに非常にマッチしており、タール火やタクタクに代わるだけの十分な理由があったのでデッキに投入するに至りました。サイドカードを散らすことはMTGにおいては一般的な戦術ですが、なぜか1枚づつ採用されている溶岩使いと万力鎖にはこういう理由があったわけです。
まとめ
◆対策カードには“腐る可能性があるもの”と“そうでないもの”の二種類がある
◆タクタクの潰し屋とタール火は“腐る可能性がある対策カード”にあたる
◆ゴブリンデッキに3枚入っているカードは結構な確率でハンドでダブる。
◆溶岩使いと万力鎖はそれぞれ“腐ることがない対策カード”として3枚目のタクタクとタール火の役割を担っている。
まぁ全てはタール火とタクタクが弱いのがいけないんですけどね。
クァーサルの群れ魔道師や再利用の賢者なんて贅沢なことは言わないので、せめて松明の悪鬼や躁の蛮人くらいはゴブリンで刷り直して欲しいですね・・・
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