スタンダードのローテーション年1回への回帰の問題点。どうすればいいか?
そういえばローテーションが年2回から年1回に戻りました。

参考:スタンダード・ローテーションの見直しについて
http://mtg-jp.com/publicity/0017853/#

これで年2回形式の一番の問題点(スタンを追うのがしんどい点)が消えるわけですが、だからといって年1回の時にあった問題点が解消されたわけではないので、今度はそれらと向き合わなければいけません。

今回の変更は例えるなら「カレー味のうんこ」を食べるくらいならやっぱり「うんこ味のカレー」の方がまだマシだったといレベルの話で、ローテーションにまつわる根本的な問題が解決されたわけではありません。


ユーザーが求めているのはあくまでカレー味のカレーであって、それはどうすれば実現できるのでしょうか。

レガシー視点では全く関係ない今回の話ですが、思う所があったので考えてみました。



1、情報量を絞る

そもそも、ローテーションを年2回に変更した一番の理由はメタゲームの問題にありました。

参考:変身
http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0011148/#

ネットの発達とMOの普及に伴い環境の解明速度は10年前、15年前とは比較にならないほど早くなっています。


例えば、2002年のエクテン環境では「一週間ごとに勝ち組が変わる!凄い!」とメタゲームの早さに多くのプレイヤーが目を回したものですが、現代MTGではむしろそれが普通、というレベルにまでなっています。

晴れる屋では高橋純也のデッキ予報という形でつい先日までスタンのメタゲームを一週間単位で追う記事が連載されていましたし、スタンGPが三週間ほど連続して開催されれば優勝デッキはコロコロ変わるほど変化の流れは加速しています。


メタにまつわる戦略記事やその瞬間有用なリストはいついかなる時でも需要があるので、ネットの時代においてそれを止めるのは土台無理な話です。

ですが、本家大元のWizardsが必要以上に情報を出すことを止めるだけなら簡単にできます。具体的にはMOのDaily Decksを完全非公開にするだけでも効果はあると思います。


デルバー期は全DEの結果を毎日公開してしまったのでメタの流れが加速しすぎました。

そのこともあってか、近年ではMOがメタゲームで現実世界の一歩先を行ってしまい、MOで流行ったデッキが時間差で現実の大会で勝つ、という逆転現象すら起きるまでになりました。

今はその反省を踏まえその日5-0したリストからいくつかを掲載する形になっていますが、それでも毎日勝ったリストをネット上に掲載するという行為がメタに与える影響は少なくないでしょう。


少なくともゲームの胴元が環境解明の手助けをしてしまう情報を自ら開示するのは、自分の首を絞めているようなものなので止めたほうがいいのではないかと思います。

クレイジーなローグデッキで世界を驚かせたいジョニーにとっては寂しくなりますが、そこは割り切って考えましょう。


MOのDaily Decksが無くなれば強いリストはSCGOのような大規模大会の結果や大手ショップ記事、草の根から拾うしかありません。

今まで以上にオンラインからオフラインにプレイヤーの目が向けられることになりますし、これはいつだってMTGの裾野を広げたいWizardsにとっても悪い話ではないと思うのですが、どうでしょうか。



2、第三セット、第四セットのスタン落ちを2年後にする

プレイヤーにとってカードは資産そのもの。

それがわずか1年半で現役引退(下環境で使えなければ永久引退)してしまうのはやっぱり寂しいもので、スタンを離れたくなる気持ちは理解できます。


確かにローテーションを年1回に戻せば第一セット、第二セットはこの問題をクリアできます。

しかし、ローテーションが年1回であろうと年2回であろうと第三セット、第四セットが1年半未満しか使えない事実は変わりません。


であるならば、逆転の発想でローテーションは年2回に固定のまま、秋のローテーションで第一、第二セットを落として、春のローテーションで第三、第四セットを落とすというのはどうでしょうか。

第一、第二セットを第三、第四セットと同じように1年半しか使えなくするのではなく、第三、第四セットを第一、第二セットに合わせて2年使えるようにする、というわけです。


これなら第三、第四セットを意図的に強いセットにする必要もなくなり、セット間の使用期間格差も無くなります。

唯一問題点があるとすればスタンダードのカードプールが多くなりすぎることでしょうかね。


使えるセットの数は・・・

ローテーション年1回:5(秋)→6(冬)→7(春)→8(夏)→5(秋)
ローテーション年2回:5(秋)→6(冬)→5(春)→6(夏)→5(秋)

今まではこうでした。


それに対して今後第三、第四セットも2年使えるようにすると・・・

5(秋)→6(冬)→7(春)→8(夏)→7(秋)→8(冬)→7(春)→8(夏)→7(秋)


使えるセット数が5~8か5~6で推移していた今までから常に7~8で推移することになります。

言うなればスタンの新環境が常に第三セット(SOI、DTK、JOU、DGM、AVRなど)が発売された状態で始まるようなものです。

怪しいコンボデッキや愉快なローグがパーツを獲得して成立する可能性は高まりますが、包囲サイや中隊のような癌が環境を硬直化させる期間が延びるリスクも増すので難しいかもしれませんが。



3、禁止改訂に柔軟性を持たせる

現在の禁止改訂は新セット発売前プレリリースの翌日です。セットの発売に合わせてたったの年4回しかありません。

そこで、これらに加えてPT後のどこかにも禁止改訂のタイミングを設けて年8回にする、というのはどうでしょうか。


環境変化に柔軟に対応できるようになりますし、少なくとも前環境末期のようなバントカンパニーまみれの最悪の自体は避けられたはずです。

禁止の決定はプレイヤーのカード資産を損なうものになりますが、スタン落ち直前での禁止裁定であれば影響も少ないので不満を持つプレイヤーも少ないのではないでしょうか。

今でもローテーションの回帰を喜ぶプレイヤーは多いものの、「ギデオンだけは落としていい」という声も少なくはありません。


あとは単純にAll or Nothingで禁止カードを決めるのではなく、〇〇と〇〇を同一デッキに入れるのはNGみたいな方法も無くはなさそうです。

具体的には集合した中隊と反射魔導士を同一デッキに入れるのはNG!とか、ゴブリン徴募兵とゴブリンの首謀者を同一デッキに入れるのはNG!とか。

All or Nothingだとそれを使う層・使われる層のどちらかから必ず反発が出てくるので、折衷案としてこういう形の禁止改訂もアリなんじゃないかと思いますが、、、




以上、自分なりに色々考えてみました。


しかし、スタンのローテーションを年1回から年2回に変更するに際してR&Dがこれら施策を考えてなかったとは想像し難いので、やっぱりこの三つには何かしら穴があるんでしょうね・・・

ネットの時代において、TCGの環境整備がどれだけ難しいか思い知らされます。

コメント

わぱ
2016年10月27日17:14

mtg 本国のアメリカでは、発売して間もないようなカードを禁止するのは
消費者からかなり白い目で見られるらしいです。
新しいカードセットだけのスタンダードが一番プレイ人口が多いので
スタンダードで禁止カードを出そうものなら
操作すると爆発するスマホや全く冷えない冷蔵庫みたいな「欠陥品」を消費者に売りつけた、ぐらいの扱いをされるらしいです。誇張表現ではなく。
それぐらい消費者が力を持ってる国なので、小売やメーカーの力が強い日本と違いますね。
mtgプレイヤーよりもmtgプレイヤー以外からの会社のイメージダウンが
激しいそうで。石鍛治禁止の時とかハズブロからかなり怒られたらしいです。
なのでスタンダードだと簡単には禁止カードは出せないらしいです。
あと、禁止じゃなくてデッキに1枚とかの制限カードにすると
制限カードを引けたら勝てるし引けなかったら負けるみたいに
運ゲー化が加速するからそれはそれでゲームバランスを歪にするとマローが言ってました

わぱ
2016年10月27日17:19

すみません、途中送信してしまいました
カードゲームって理解のない人から「カード1枚でこんな値段!?ただの紙じゃん」
とか言われますが、本来2年とか1年半使えることが保証されてるスタンダードのカードを禁止にするっていうのは、まさに自分達が売ってきた商品を「ただの紙」へと
変えてしまうことだから簡単には禁止にできないってマローが言ってました!
自分も前スタンは中隊禁止にして欲しかったんですがね…

あいうえお
2016年11月1日19:53

このへんはやっぱりお国柄というか外国産ゲームならではの事情を感じますよね。

個人的にはローテーションを年1回に元に戻すなら、年1回の時にあった問題点を少しでも解消する何かしらの+αも一緒に公開してくれてたらな~と、思いました。

お気に入り日記の更新

日記内を検索