GP京都で使ったゴブリンにメインから虚空の杯を入れた理由
2015年4月29日 レガシーのゴブリン考察
国内初のレガシーGPも遂に終わりようやくレガシー環境も一段落がつきました。
自分は虚空の杯入りゴブリンを使い直前トライアル5-0からの本戦3-4という結果に終わったわけですが、会場では対戦相手の人からよく 「メインからチャリスっすか!?」と聞かれました。ゴブリンのメインに虚空の杯を入れるのを不思議に思う方は多いようです。
(SCGの記事の中でも取り上げてもらえました。嬉しいです。 http://www.starcitygames.com/article/30690_Legacy-Kyoto-Spotlight.html )
そこで、今回はゴブリンにメインから虚空の杯を入れた理由について、頭の中の整理も兼ねて忘れないうちに書いておこうと思います。
※ ※ ※
まず、自分がGP本戦で使ったリストがこちら
●メインボード
4 《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》
4 《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》
4 《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》
3 《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》
2 《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》
2 《ゴブリンの酋長/Goblin Chieftain》
2 《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》
1 《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal》
1 《棘鞭使い/Stingscourger》
1 《火花鍛冶/Sparksmith》
1 《群衆の親分、クレンコ/Krenko, Mob Boss》
1 《稲妻造り士/Lightning Crafter》
1 《タクタクの潰し屋/Tuktuk Scrapper》
4 《霊気の薬瓶/AEther Vial》
3 《虚空の杯/Chalice of the Void》
2 《タール火/Tarfire》
1 《Pyrokinesis》
4 《魂の洞窟/Cavern of Souls》
4 《リシャーダの港/Rishadan Port》
4 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
3 《不毛の大地/Wasteland》
3 《Plateau》
2 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
2 《山/Mountain》
1 《Badlands》
●サイドボード
4 《安らかなる眠り/Rest in Peace》
3 《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》
1 《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》
1 《タクタクの潰し屋/Tuktuk Scrapper》
1 《稲妻造り士/Lightning Crafter》
1 《猪牙のしもべ/Boartusk Liege》
1 《ヤスデ団/Earwig Squad》
1 《摩耗/Wear》/《損耗/Tear》
1 《Pyrokinesis》
1 《虚空の杯/Chalice of the Void》
●メインに虚空の杯を入れた理由
①そもそもメインボードのゴブリンの数は28枚まで削ってもOKなので
体感的には28枚までならセーフ。それ以下だとヤクい
→罰する火をメインに入れていた頃の構成(ゴブリン28枚)でも問題なく回っていたので。
→他の人のデッキでゴブリン28枚以下のリストもちょくちょく結果を出してるっぽかったので。
※ただし、メインボードに入れた非ゴブリンスペルは相手によっては腐る可能性があるので、28枚のゴブリンの強さは
G2以降の28枚>>>メインボードの28枚
メタを読み間違えた時の反動も大きい危険を伴う諸刃の剣
②GPTを通じてメインボードに“3枚”腐りがちなゴブリンがあることが分かっていたので
●ゴブリンの名手
テンポ → URにしか効かない。弱い
コントロール → 論外。弱い
コンボ → 論外。弱い
サイドアウトする相手の方が多い = 欲しい相手の方が少ない → 欲しい相手の方が多い虚空の杯と入れ替え
●モグの戦争司令官(2枚目)
キープ基準に成り得ないケースが多いのにキープ基準にしなければいけないジレンマ
例:【戦争司令官、戦長、焼却者、首謀者、土地、土地、土地】
Tier1相手で欲しいのがRUGやURくらいしかない→比較的腐りやすい → キープ基準になる虚空の杯に入れ替え
(あと、単純にカードパワーが低いのでフェアデッキ相手に重ね引きすると苦しい)
●宝石の手の焼却者(3枚目)
意味の無い空サイクリングをするケースが頻繁にあったので(知ってた)→意味のある虚空の杯と入れ替え
※部族タイプ(ゴブリン)持ちの土地はよ
③キープ基準になるカードを少しでも増やしたかったので
ここ数年のゴブリンは初動を対処されたらそのままアッサリ負けるケースが多い
→ゴブリンで勝つには初動を捌かれない強運or初動を捌かれても第二の矢をすぐにプレイできる都合の良いドローが必要
→9回戦の長丁場だとそれらは中々望めない
→初動(キープ基準)になるカードを物理的に増やすしかない
【従僕、戦争司令官、女看守、首謀者、Plateau、洞窟、不毛】
→後手の除去+不毛で大体詰み(´・ω・`)
【従僕、名手、女看守、首謀者、Plateau、洞窟、不毛】
→後手の除去+不毛で大体詰み(´・ω・`)
【従僕、焼却者、女看守、首謀者、Plateau、洞窟、不毛】
→後手の除去+不毛で大体詰み(´・ω・`)
【従僕、虚空の杯、女看守、首謀者、Plateau、洞窟、不毛】
→後手の除去+不毛で詰まない!( ゚∀゚ )
【戦争司令官、女看守、首謀者、山、小湖、洞窟、港】
→キープできない(´・ω・`)
【名手、女看守、首謀者、山、小湖、洞窟、港】
→キープできない(´・ω・`)
【焼却者、女看守、首謀者、山、小湖、洞窟、港】
→キープできない(´・ω・`)
【虚空の杯、女看守、首謀者、山、小湖、洞窟、港】
→キープできる!( ゚∀゚ )
④アンフェアデッキに勝たなければいけない
・アンフェアに2回負けてそれ以外は全部勝って7-2で初日抜け!
→絶対ムリムリかたつむり
・アンフェアにG1負けてG2をサイドカードで取り返してG3も勝つ
→今までの対戦経験からしてアンフェア相手にG3後手で勝てた試しがほとんど無い
・アンフェアとまともにやりあうにはG1を取った上で大量のサイドカードが必要
→かといってフェアデッキ用のサイドは削れないのでアンフェア用のサイドカードをメインに上げる必要がある
⑤虚空の杯というカード自体がアンフェアデッキ以外にもサイドインする相手がとても多い
DeathBlade、RUG、BUG、Patriot、UR、Miracle、Omnitell、Reanimate、ANT、Elves、
etc・・・etc・・・
※MetagameBreakdownを見る限り、メインに虚空の杯を入れる選択はド正解でした。
http://magic.wizards.com/en/events/coverage/gpkyo15/day-2-metagame-breakdown-2015-04-18
⑥ゴブリンの枠を虚空の杯に替えると絶対不利になる、という相手の方が少ない
絶対に不利になる相手
→向こうもメインから虚空の杯を入れているデッキくらい 例:Merfolk、MUD
以上六点から、じゃあ虚空の杯はメインでという結論が導かれました。
補足:ゴブリンは28枚まで削って良いのに虚空の杯を4枚ではなく3枚にした理由
・従僕、薬瓶に加えて虚空の杯が3枚もあればキープ基準は十分確保されていたので
・虚空の杯4枚目よりもタール火2枚目の方が偉いケースが多かったので
・4枚だと初手からダブりやすく、テンポデッキ以外にダブると無駄牌になるので
・ゴブリンは中~長期戦志向のデッキなので4枚だと必然的に2枚目を引きやすかったので
※ ※ ※
他のカードの取捨選択については見たまんまなので割愛します。
1月から始まったGPTでは中途半端に勝ち越しができてしまっていたので本番も基本的なゴブリンで臨もうと思っていました。しかし、3月最終週のGPTで1-5-1と3-5したことでやっぱりベーシックな構成では無理だということを再確認し、虚空の杯をメインに入れる決心をしました。
もっとも、それまでのGPTの成績からして普通の構成ではGP本番も3-6~6-3くらいだと思われたのでこの判断は間違っていなかったと思います。(もっと早くから入れとけよ、という突っ込みは置いておくとして)
最終成績は5-4と振いませんでしたが、2日目のデッキ分布を見る限りメイン虚空の杯は完全に正解だったので今後も続けていこうと思います。
唯一惜しむ点があるとすれば、それはレガシー環境下におけるGoblinデッキ自体のパワーの低さを克服できず、それが本戦でもモロに出てしまったことでしょうか。デッキパワーの低さは今に始まった問題ではありませんが、この点については今後も研究が必要そうです。
会場トップメタのミラクルとオムニに刺さってそれ以外のテンポやコンボにも効果的で更にキープ基準にもなるカード・・・・・・そんな夢のようなカードがあるならゴブリンに入れない理由はありませんよね、っていう話でした。
自分は虚空の杯入りゴブリンを使い直前トライアル5-0からの本戦3-4という結果に終わったわけですが、会場では対戦相手の人からよく 「メインからチャリスっすか!?」と聞かれました。ゴブリンのメインに虚空の杯を入れるのを不思議に思う方は多いようです。
(SCGの記事の中でも取り上げてもらえました。嬉しいです。 http://www.starcitygames.com/article/30690_Legacy-Kyoto-Spotlight.html )
そこで、今回はゴブリンにメインから虚空の杯を入れた理由について、頭の中の整理も兼ねて忘れないうちに書いておこうと思います。
※ ※ ※
まず、自分がGP本戦で使ったリストがこちら
●メインボード
4 《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》
4 《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》
4 《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》
3 《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》
2 《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》
2 《ゴブリンの酋長/Goblin Chieftain》
2 《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》
1 《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal》
1 《棘鞭使い/Stingscourger》
1 《火花鍛冶/Sparksmith》
1 《群衆の親分、クレンコ/Krenko, Mob Boss》
1 《稲妻造り士/Lightning Crafter》
1 《タクタクの潰し屋/Tuktuk Scrapper》
4 《霊気の薬瓶/AEther Vial》
3 《虚空の杯/Chalice of the Void》
2 《タール火/Tarfire》
1 《Pyrokinesis》
4 《魂の洞窟/Cavern of Souls》
4 《リシャーダの港/Rishadan Port》
4 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
3 《不毛の大地/Wasteland》
3 《Plateau》
2 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
2 《山/Mountain》
1 《Badlands》
●サイドボード
4 《安らかなる眠り/Rest in Peace》
3 《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》
1 《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》
1 《タクタクの潰し屋/Tuktuk Scrapper》
1 《稲妻造り士/Lightning Crafter》
1 《猪牙のしもべ/Boartusk Liege》
1 《ヤスデ団/Earwig Squad》
1 《摩耗/Wear》/《損耗/Tear》
1 《Pyrokinesis》
1 《虚空の杯/Chalice of the Void》
●メインに虚空の杯を入れた理由
①そもそもメインボードのゴブリンの数は28枚まで削ってもOKなので
体感的には28枚までならセーフ。それ以下だとヤクい
→罰する火をメインに入れていた頃の構成(ゴブリン28枚)でも問題なく回っていたので。
→他の人のデッキでゴブリン28枚以下のリストもちょくちょく結果を出してるっぽかったので。
【レガシーの大会にゴブリンで参加】2013年8月31日(土)晴れる屋トーナメントセンターオープン記念レガシー杯
http://aiueoaiueo.diarynote.jp/201309011919415684
【レガシーの大会にゴブリンで参加】2013年8月31日(土)晴れる屋トーナメントセンターオープン記念レガシー杯 反省、総括
http://aiueoaiueo.diarynote.jp/201309022332358792/
Happy MTG デッキ検索→Legacy→Goblin
http://www.hareruyamtg.com/jp/deck/search.aspx?format=Legacy&date_format=Legacy+-+Archive&archetype=A000343&releasedt_type=1&min_releasedt=&max_releasedt=&player=&name_je=&name_je_type=1&search.x=submit
※ただし、メインボードに入れた非ゴブリンスペルは相手によっては腐る可能性があるので、28枚のゴブリンの強さは
G2以降の28枚>>>メインボードの28枚
メタを読み間違えた時の反動も大きい危険を伴う諸刃の剣
②GPTを通じてメインボードに“3枚”腐りがちなゴブリンがあることが分かっていたので
●ゴブリンの名手
テンポ → URにしか効かない。弱い
コントロール → 論外。弱い
コンボ → 論外。弱い
サイドアウトする相手の方が多い = 欲しい相手の方が少ない → 欲しい相手の方が多い虚空の杯と入れ替え
●モグの戦争司令官(2枚目)
キープ基準に成り得ないケースが多いのにキープ基準にしなければいけないジレンマ
例:【戦争司令官、戦長、焼却者、首謀者、土地、土地、土地】
Tier1相手で欲しいのがRUGやURくらいしかない→比較的腐りやすい → キープ基準になる虚空の杯に入れ替え
(あと、単純にカードパワーが低いのでフェアデッキ相手に重ね引きすると苦しい)
●宝石の手の焼却者(3枚目)
意味の無い空サイクリングをするケースが頻繁にあったので(知ってた)→意味のある虚空の杯と入れ替え
※部族タイプ(ゴブリン)持ちの土地はよ
③キープ基準になるカードを少しでも増やしたかったので
ここ数年のゴブリンは初動を対処されたらそのままアッサリ負けるケースが多い
→ゴブリンで勝つには初動を捌かれない強運or初動を捌かれても第二の矢をすぐにプレイできる都合の良いドローが必要
→9回戦の長丁場だとそれらは中々望めない
→初動(キープ基準)になるカードを物理的に増やすしかない
【従僕、戦争司令官、女看守、首謀者、Plateau、洞窟、不毛】
→後手の除去+不毛で大体詰み(´・ω・`)
【従僕、名手、女看守、首謀者、Plateau、洞窟、不毛】
→後手の除去+不毛で大体詰み(´・ω・`)
【従僕、焼却者、女看守、首謀者、Plateau、洞窟、不毛】
→後手の除去+不毛で大体詰み(´・ω・`)
【従僕、虚空の杯、女看守、首謀者、Plateau、洞窟、不毛】
→後手の除去+不毛で詰まない!( ゚∀゚ )
【戦争司令官、女看守、首謀者、山、小湖、洞窟、港】
→キープできない(´・ω・`)
【名手、女看守、首謀者、山、小湖、洞窟、港】
→キープできない(´・ω・`)
【焼却者、女看守、首謀者、山、小湖、洞窟、港】
→キープできない(´・ω・`)
【虚空の杯、女看守、首謀者、山、小湖、洞窟、港】
→キープできる!( ゚∀゚ )
④アンフェアデッキに勝たなければいけない
・アンフェアに2回負けてそれ以外は全部勝って7-2で初日抜け!
→絶対ムリムリかたつむり
・アンフェアにG1負けてG2をサイドカードで取り返してG3も勝つ
→今までの対戦経験からしてアンフェア相手にG3後手で勝てた試しがほとんど無い
・アンフェアとまともにやりあうにはG1を取った上で大量のサイドカードが必要
→かといってフェアデッキ用のサイドは削れないのでアンフェア用のサイドカードをメインに上げる必要がある
⑤虚空の杯というカード自体がアンフェアデッキ以外にもサイドインする相手がとても多い
DeathBlade、RUG、BUG、Patriot、UR、Miracle、Omnitell、Reanimate、ANT、Elves、
etc・・・etc・・・
※MetagameBreakdownを見る限り、メインに虚空の杯を入れる選択はド正解でした。
http://magic.wizards.com/en/events/coverage/gpkyo15/day-2-metagame-breakdown-2015-04-18
⑥ゴブリンの枠を虚空の杯に替えると絶対不利になる、という相手の方が少ない
絶対に不利になる相手
→向こうもメインから虚空の杯を入れているデッキくらい 例:Merfolk、MUD
ゴブリンのメインボードに虚空の杯を入れた理由 まとめ
①メインボードのゴブリンカウントは28枚まで削ってよかったので
②仕事をしていないゴブリンカードがメインに3枚あったので
③キープ基準になるカードを増やす必要があったので
④アンフェアデッキに勝てる構成にしなければいけなかったので
⑤環境的にサイドインする相手の方が圧倒的に多かったので
⑥効かないor不利になるという相手が少なかったので
以上六点から、じゃあ虚空の杯はメインでという結論が導かれました。
補足:ゴブリンは28枚まで削って良いのに虚空の杯を4枚ではなく3枚にした理由
・従僕、薬瓶に加えて虚空の杯が3枚もあればキープ基準は十分確保されていたので
・虚空の杯4枚目よりもタール火2枚目の方が偉いケースが多かったので
・4枚だと初手からダブりやすく、テンポデッキ以外にダブると無駄牌になるので
・ゴブリンは中~長期戦志向のデッキなので4枚だと必然的に2枚目を引きやすかったので
※ ※ ※
他のカードの取捨選択については見たまんまなので割愛します。
1月から始まったGPTでは中途半端に勝ち越しができてしまっていたので本番も基本的なゴブリンで臨もうと思っていました。しかし、3月最終週のGPTで1-5-1と3-5したことでやっぱりベーシックな構成では無理だということを再確認し、虚空の杯をメインに入れる決心をしました。
もっとも、それまでのGPTの成績からして普通の構成ではGP本番も3-6~6-3くらいだと思われたのでこの判断は間違っていなかったと思います。(もっと早くから入れとけよ、という突っ込みは置いておくとして)
最終成績は5-4と振いませんでしたが、2日目のデッキ分布を見る限りメイン虚空の杯は完全に正解だったので今後も続けていこうと思います。
唯一惜しむ点があるとすれば、それはレガシー環境下におけるGoblinデッキ自体のパワーの低さを克服できず、それが本戦でもモロに出てしまったことでしょうか。デッキパワーの低さは今に始まった問題ではありませんが、この点については今後も研究が必要そうです。
会場トップメタのミラクルとオムニに刺さってそれ以外のテンポやコンボにも効果的で更にキープ基準にもなるカード・・・・・・そんな夢のようなカードがあるならゴブリンに入れない理由はありませんよね、っていう話でした。
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